総司「おはよう、琴音」
琴音「おは、、、なんで指にCDはめてるの?」
総司「あー、聞いてくれよ。昨日の夜、CDを指にはめてみたんだよ。そしたら抜けなくなって」
琴音「いやいや、なんではめたのさ?まず、ソコからだよ」
総司「いや、友香が指輪を見せてきてさ。それに張り合ってはめたらこのザマさ」
琴音「友香ちゃん、3つでしょ?何に張り合ってんの?アンタ、高校生でしょ?意味わかんない」
総司「いや、舞踏会ゴッコしててさ、意地悪な継母役だったんだよ。だからキラキラした大きい指輪を、と思ってさ」
琴音「、、、めっちゃいいお兄ちゃんじゃん!」
総司「それはともかく、抜けなくなって、、、」
琴音「そもそも、そのCDもまさか指にはめられるとは思わないでしょうよ」
総司「石けんでやってもダメ、炙ってもダメ、挙げ句親に言っても鼻で笑われておしまいだし」
琴音「総ママらしいね。っで、一晩それで過ごしたと?指も気持ち白いし」
総司「もし、これ指ダメだったらどうしよ?」
琴音「左の薬指だから結婚指輪出来ないね。ってか、その継母、結婚指輪がCDなの?」
総司「もうさ、CDのケース見てもはめた指の外し方1つ書いてないの」
琴音「書かねぇだろうよ。ってか割りなよ」
総司「破片刺さったら血が出るじゃん」
琴音「それで指がダメになるリスクより破片で血が出るリスクを上にしたの!?」
総司「そもそもこういうのって製造瑕疵責任だろ」
琴音「モンスタークレーマー!」
総司「フールプルーフの考え方で行くべきだよ。車だって、洗濯機だってそうじゃん」
琴音「指にCDはめて寝られなかったとか、悲劇でもなく、喜劇でもなく、ただのバカ話だよ。そういう点ではバカ者基準というのは馬鹿にならないかも、だけど」
総司「いやいや、こういう好奇心ある使い方がフールプルーフという安全工学に寄与したんだ。敬意を払って欲しい」
琴音「CDの指輪の貴婦人に?ムリだね」
総司「そもそも社会にフールプルーフの考え方が足りない」
琴音「足りないのはアンタの思慮でしょ?」
総司「例えば、トイレで不倫すると白い目で見られるよ、とか」
琴音「なんか、嫌な方向に進んだな」
総司「例えば、ホステスの髪を掴んでると干されるよ、とか」
琴音「スルーしたい気分だな」
総司「例えば、女の子に無理やり接待させると週刊誌から撃たれるよ、とか」
琴音「こちらは事実確認まだだし」
総司「例えば、NHKのトイレで、、、」
琴音「うぉーい、アタシ、女子!なっ?その女子が嫌がってるんだわ。ここは引くべき一線では無いだろうか?」
総司「ご、ごめん、配慮が足りなかった!じゃあ、政治家!パー券の還流した部分を、、、」
琴音「パー券、いらない。総司はなんで嫌だと言ってる話をしつこくするの?やめてよ」
総司「ごめん、やっぱり挨拶のときに言っておくべきだったわ」
琴音「何を?」
総司「琴音の嫌そうな顔を見るのが好きで嫌だという話をしたくなっちゃう、仕様なんだってこと」
琴音「えっ?」
総司「ぼくのフールプルーフだね」
琴音「なんだ、アタシがバカだって言いたいんかい!」
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