琴音「ねぇ、総司って犬派?猫派?」
総司「うちはどっちもいないからな。強いて言うなら植物派だな」
琴音「あっ、そういや総司の部屋ってやたらと植物置いてあるよね。なんかの癒やし?」
総司「いや、僕、緑色が好きで本当は壁紙も緑色にしたかったんだけどそれが出来なかったんで、仕方なしに植物を。だから立ち位置は消極的植物派、もしくは植物ハト派」
琴音「犬派、猫派の質問でハトが出てくるのはアンタぐらいだろうよ」
総司「そういう琴音は?」
琴音「あたし?断然、猫!ねぇ、聞いてよ、こないだカワイイ猫の動画見つけちゃってさ」
総司「でも琴音のうちってなんか飼ってたっけ?」
琴音「うん、何にもいない。でも私は飼うより見てるだけで満足」
総司「ということは消極的猫派だね」
琴音「やむを得ず猫派じゃないから消極的ではないでしょ。強いて言うなら猫中間派だね。この区分に意味があるかは別にして」
総司「意味あるよ。いつもは温厚でニコニコしてる人が犬派原理主義者だったらどうするの?猫の話をしたら家の前に車爆弾、停められますよ」
琴音「ここはベイルートか」
総司「っで、ある日、警察が来て『あなたが猫派だという通報がありました。すみませんが同行いただけますか?』って聞かれる」
琴音「ここはベラルーシか」
総司「っで、教化されて集会で頭に三角帽を被って自己批判する流れ」
琴音「その後、紅衛兵が壇上に上がってきて語録で頭を引っ叩くんでしょ?バカバカしい」
総司「そうそう、知ってる?猫は液体なんじゃないか説」
琴音「あー、狭い隙間とか容れ物とかにキレイに入るからね。かわいいよね」
総司「これに犬派が対抗して、犬は固体なんじゃないか説を唱えてね」
琴音「おーい、話がまた派閥争いになっちまったよ」
総司「いやいや、植物こそ固体たり得るんです、という人も出てきて会場は大荒れ」
琴音「その会場、絶対アホの集まりだろ」
総司「いやいや、僕もその場に居たよ」
琴音「えっ、自分の話?」
総司「違うよ、自分は机の隅でモジモジしてた」
琴音「あー、そこも消極的なんだ。何しに行ったんだよ」
総司「3、3で女子と遊ぶため?」
琴音「合コン!」
総司「結局のところ、犬派と猫派と植物派に別れたんだけど、なんだかなぁ、な集まりだったね」
琴音「植物こそ固体たり得る、って女子の発言?」
総司「まぁ、見た目が後年の江青みたいな人だったけどね」
琴音「まさかの文革ループ」
総司「日和見右派の走狗だと詰られまして」
琴音「それは楽しいのかな」
総司「総じて考えると時間の無駄だね」
琴音「でしょうね。ってか、あたしに断りなく合コン行くなよ!」
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