麗しく華々しい物語である。女性はあくまでその魅力をあますところなく描かれており、まるで花畑を見るようだ。花弁にそっと触れれば、白玉の露が転がり光る。主人公であるルインより女性陣の魅力を描くに重きを置かれているようだ。ルインは良い意味で朴念仁であり、無闇に女性に手出ししない。そこが彼女たちにはより一層の魅力となって惹きつけられる。緻密な設定の凝りようは百科事典を見ているようで、煌びやかな写真集を眺めている気にもなる。これから物語は大きく動き出すのだろうと推測するが、その魅力は汲めど尽きぬ泉のように、枯れることはないのである。