とにかくイケメンな主人公と、個性的な美女たちが勢揃いです。……と、ここまで聞くとハーレムを思い浮かべるかもしれませんが、苦手な方も楽しめるようになっています。何よりも女性との接し方がとても紳士的で、眠り女たちが彼に惹かれるのも納得いくんです。
「本格ファンタジー」と聞くと小難しそうな印象ですが、実際はとても読みやすい。きちんと話が進んでいますし、あっという間でいながら壮大なボリュームという絶妙なバランスはそうそう無いと感じます。
それに作者がこだわりを細部まで落とし込んでいるおかげで、キャラや世界観から重みが伝わってきます。
“こだわり”は読者を突き放すものではなく、むしろ一気に引き込ませるもの。それを思い出させる程のエネルギーがこの作品に詰まっています。
あと、性的な意味が込められた文章も他には無い上品な言い回しで綴られてるところもポイントです。
一文一文がとても丁寧で、Webだけに留まるのが正直勿体ないくらい。海外ファンタジーのように「分厚い本になってくれないものか」とも思います。この作品は文庫サイズでもB6サイズでも無けりゃ、10万字に縛られた厚さでもダメなんです。
ファンタジーに没入したい方は勿論、(Web小説の)セオリーに悩む全ての書き手にもオススメしたい一作です。
これからも追いかけます!!