“異能は人に祝福を与える。だが同時にその身を滅ぼす”
ぼくは数年前、街一つを滅ぼした。多くの人を死に至らしめ、幾千万もの人の魂を背負い込んだ。
ぼくは罪負いし者── 有り余る力と制御不能な感覚によって自らの命を絶ち、異能を囲う人ならざる存在となった。人はぼくを|虐殺特異点《ジェノサイダー》と呼んだ。
ぼくの出現以降、世界には多くの異能者が現れた。彼らはその力を自らに利する物事にしか行使せず、秩序はその基盤から大きく揺らいだ。
ぼくの大罪によって歪んだ世界を正すため、ぼくは異能を生み出した蛇と共に終わらない地獄に身を投じる。