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「お兄さん、良ければ遊んでいきませんかァ?」
歌舞伎町の路上を歩いていればそんな風に声をかけられる人も多いはず。
居酒屋?
ガールズバー?
それとも少しえっちなやつ?
なんてドキドキしながら振り返ると、そこには一風変わった格好をした少女が佇んでいる。いわゆるメイドさんだ。
メイドさんと言えば秋葉原の印象が強いかもしれない。2000年初頭に秋葉原に展開したメイドカフェは、今では新宿・池袋・上野と至るところに進出していた。
同級生と噂話をして自撮りをしてタピオカを飲む。そんな《普通》をこよなく愛する女子高生、耀羊子《アカルヨウコ》は、ある日歌舞伎町のメイドカフェでバイトをしようと考える。
しかし面接当日、道に迷った彼女は勢い余って全く関係ない建物に飛び込んでしまった。一見何の変哲もないその建物はやけに湿っぽく生臭い。
おそるおそる辺りを見渡すとうっすらと微笑む謎の美少女がいる。メイドの格好をしているその少女は血塗れのひしゃげた死体を持っていた。
《地球外生命体ステラ》と《少しだけ心が足りない女子高生》が歌舞伎町のメイドカフェで織りなす、お仕事ダークファンタジー。