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第14話【期待と不安】

公開日時: 2021年10月21日(木) 19:00
文字数:830

資金もそれなりに貯まり、そろそろ海外へ行くタイミングを考えていた時だった。


スーパーロボット店長が転勤になったのだ。


新支店の立ち上げらしい。


とてもショックだった。


実は、1度バイクの仕事を辞めようとしたことがある。


それはバイトに慣れてきて、自分に自信が付きもっと偉くなって指示する側になりたいと思っていた時だ。

事実、仕事はできたと思うし評価もしてもらっていた。


だが一緒に働いている人が大人過ぎるだけでなく、みんな仕事ができた。

【精鋭部隊】みたいな集団だった。

上が詰まっていて、埒が明かなかったのだ。


そんな時【オープニングスタッフ募集!!】と書かれた広告を見て、店長に「来月で辞めたいと思っています。」と伝えた。


すると「オープニングスタッフか何かで働いて、上に立ちたいんだろう?」と何も話していないのに図星を突かれた。


それに対し色々と言い訳をする僕に対し「そうやっていつまでもいつまでも親父さんが亡くなった事を言い訳にして生きていくんだろう。」と核心的なところまで突いてきた。


その時、店長は50歳手前くらいの年だったが「この人はスゴイ人だ、色々な人生経験を積んでいる。」と本能が感じとった。


話の結論としては、店長は僕に店を辞めてほしくなくて店の次世代を担う存在として期待されいたのだ。


そんな恩義のある店長が去るならば、このタイミングしかないと思い僕はバイトを辞めた。


今思えば、承認欲求も、自己肯定感もこの時が1番だった。


そして、全てのバイトを辞めて海外へ行くための準備を始めた。


―どんなバックがいいかな


―どんな服装がいいかな


―ヒッチハイクするならペンと画用紙はいるのかな。


―急に襲われたりしないかな。


などと初めての1人海外に期待と不安で一杯だった。


そんな矢先、友人から連絡が入った。


「元気にしてる?今度ご飯でも行こうよ」と。


かなり久しぶりの連絡にビックリしたが、嬉しかった。


そして後日ご飯に行くことになるのだが、この連絡から僕の人生が変わるとは思いもしていなかった。


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