自律神経出張中

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第11話【ごめん】

公開日時: 2021年10月18日(月) 19:00
文字数:723

今までお泊り言えば、月に1回から多い時でも3回程度だった。

それに毎回ホテルへ行かなければならないので、金銭的な面でも負担になった。


しかし引っ越しをして僕の部屋がある。

千秋には2時間ほどかけて来てもらうことになるが、嫌な顔一つせずに来てくれる。

自然とお泊りの回数も増え、月10日ほど来ることもあった。



それから間もなくのことだった。


大学へ行くのが面倒くさくなっていた。


この時もまだ彼女との電話は朝方までしていて、大学へ行っても寝るばかり。

完全に行く意味を見失っていた。


「何をしに大学へ来ているんだ。」

「何か1つでも学んだのか?」

「働いた方がお金にもなるし、そうしようかな。」と考えるようになっていた。


それからバイトの先輩に相談した。


返ってくる言葉は同じ「絶対後悔するから辞めるな」だった。

同じく大学を途中で辞めて後悔した先輩もいた。


その時の掛けてくれた言葉の重さは、19の僕には響ききらなかった。


【それから数か月後、僕は大学を辞めた。】


千秋は泣いていた。「ごめん」そう思うしかなかった。

――――――――――――――――――――――――――――

大学を辞めてからも付き合いは続いた。


それどころか大学で会えなくなった分、千秋が会いに来てくれる回数が増えた。


大学も辞めバイトに明け暮れていた僕は少しお金のも余裕ができた。


デートも近場から、千葉のテーマパークへ行ったり大阪のテーマパークへ行った。


電車で片道3時間以上もかかる神社へ行ったり、夜景の綺麗なところへも行った。


こうして会う回数が多くなり、過ごす時間が長くなると

「こいつと結婚するかもしれないな。」と考える様になっていた。

というより他に考えられなかった。


付き合いも2年になり僕たちは20歳になっていた。


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