高校も卒業し、憧れの【キャンパスライフ】が始まった。
しかし電車で片道2時間もかかる。
僕の感覚では遠い。
なぜこんなに遠い大学を選んだのだろうと、毎日思っていたが
「どのサークルに入ろうかな?」
「かわいい子いないかな?」
「髪の毛金髪にしてみるか?」
などを漠然と考えながら過ごしていた。
そんなある日、小さな教室で受ける経済の授業があった。
「プリント配るから後ろへ回してくれ」と先生が言う。
前から回ってきたプリントを後ろに回した時、心臓に雷が落ちるような衝撃が走った。
—胸の下まである長い髪。
—うっすらと派手すぎない良い感じの茶髪。
—ギャル過ぎない良い感じのメイク
—すらっとしたモデル体型
—細すぎない脚
—なんのブランドか分からないが最高のファッションセンス
全てがドストライクだった。
いや、めちゃくちゃ可愛かった。
可愛すぎて顔をも見られなかった。
否!ほんの少しは見た。
その日を境に学校へ行く目標が変わった。
勉強ではない。
友達作りでもない。
あの子に会うために学校へ行く。
あの子と何とかして付き合いたい。
そのことで頭がいっぱいになった。
———―――――――――――――――――――――———
お洒落な彼女に見合う男になるべく、服を買いに行った。
自分では分からないので、店員さんコーディネートしてもらった。
―今どきの大学生という無難な仕上がり。
可愛い彼女に見合うべく、人生で初めて美容室へ行った。
実は高校の時は野球部に所属していたため、坊主だったのだ。
そのため大学では髪の毛を伸ばしお洒落な髪形にしたかったが、美容室に行くのが恥ずかしくてひたすらに伸ばしているだけだった。
これは意外と野球部あるあるかも知れない。
「どのようにいたしましょう?」と言われ見せられた雑誌が、僕の容姿とかけ離れすぎていて恥ずかしくなった。
この感覚が嫌で美容室を避けていた。
どれを選んでも「お前には似合わねぇよ」と思われている気がしてならない。
結局「美容師さんのお任せで」とお願いした。
想像以上の出来に、テンションが上がった。
―これで身なりは整った。
その帰りに家電量販店へ寄った。
眉を整えるハサミと、初めての電動髭剃りを買いに行った。
家に帰り早速ひげ剃りを使ってみた。
めちゃくちゃツルツルになると思っていたので「まあーこんなもんか」という感じだった。
―髭も良し。
眉毛は人の印象を大きく変えると聞いたことがあった。
丁寧に眉毛をハサミで整え、長さはいい感じに。
次は家にあった眉用のカミソリで形を整えようとした。
〔禿げた。禿げてしまった〕勢いあまって右の眉の半分無くなってしまったのである。
こんな姿を彼女にみせられまいと、とりあえず絆創膏を貼ってしのぐことにした。
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