約束当日。
約5年ぶりに酒井と再会した。
二人は馴染みのファミレスで待ち合わせしていた。
「かなり久しぶりやね」
「うん。そうやね」
「今、仕事何してるの?」
「今は仕事も辞めて、海外へ旅に行こうと思うんだ。お前は何してるんだよ」
「へぇスゴイな。海外か~。実は今日さあ話があるんだよ」
「うん?なんの?」
「俺会社を起こそうと思っているんだ」
「マジ?すごいじゃん!なんの会社やるの?」
「イベント企画の会社!先輩と一緒にやるんだけどさ、人手が少なくてさ。」
「イベント企画?」
僕にはその業種がどんなものなのか当時ピンと来ていなかった。
「まぁイベントよ!例えばコンサートスタッフの手配とか、大きなスポーツの祭典とかさ、時には芸能人とも一緒に仕事するんだぜ!!!!」
彼の目はギラギラして、希望に満ち溢れているのが感じとれた。
「でさぁ、お前にもイベントの会社手伝ってほしいんよ」
「いや、俺は海外に行くしさ。旅もしたいし。割と自由に生きたいと思っているから、辞めとくよ。それに知らない業界だし。」
「いや、お前考えてみろよ。立ち上げメンバーで成功したら良いポジションにも就けるし、それで稼いだお金でどれだけの旅や贅沢ができると思ってんだよ」
話を聞いていると、彼の雰囲気に飲み込まれていきそうだった。
「確かに。それから旅をしても年齢的にも遅くはないか。」
「そうだろう?なぁ一緒にやろや」
それから30分ほど色々聞いて、そこから1時間ほど悩んだ結果。
「分かった。やってみるか!!!」
「さすが!頑張ろうな!」
こうして友達とイベントの会社を作ることになった。
それから数日後、酒井の言っていた先輩にも会った。
先輩は大柄でラグビーとか柔道をやっていそうな感じで、髪は綺麗に整えていた。髪形はツーブロックで七三に分け、色黒な方だった。
持っている鞄、靴、時計、全部ブランド物。
ブランド名は分からないが絶対高いだろうな。と思って見ていた。
「初めまして。大沢です。酒井から色々話は聞いてます。」
「あっ、こちらこそよろしくお願い致します。」
それから大沢さん、酒井、僕の3人でこれからの事を話し合った。
「なるほど!面白そうな計画ですね」
「だろ?先輩に付いていけば間違いないんだって!」
僕はその時すでにお金持ちになった気持ちでいた。
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