【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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1656話 近麗地方南部の地理

公開日時: 2025年2月12日(水) 12:10
文字数:944

「それにしても……はぁ……」


 俺は、思わず嘆息した。


「もっと地理を考えて行動するべきだったな……」


 疲れたように空を見上げる。

 分厚い雲が広がり、光を遮っている。

 雨の匂いが濃くなり、遠くで雷鳴が響いた。


 俺のミッションは、桜花藩の周辺地域――『近麗地方』の諸藩を併呑し、支配を確立することだ。

 しかし、この一戦を終えて改めて思う。

 地理的な要素をもっと考慮するべきだった、と。

 ここで、再び大和連邦の地理を確認してみよう。




            北北

           北北北北

           北北北北

           北北


           北北

          北北北

          北北北

         中中北北

        中中中漢漢

九九九 重重近近中中中漢漢

九九九 重重近近近中中漢漢

 九九    桜那中中

 九九 四四 湧深

 九九 四四


桜……桜花藩(おうかはん)

湧……湧火山藩(わかやまはん)

那……那由他藩(なゆたはん)

深……深詠藩(みえはん)




 実際にはもう少し入り組んだ形をしているが、ざっくりと表すならばこんな感じだ。

 見て分かる通り、桜花藩の東と南に接するのが、それぞれ那由他藩と湧火山藩だ。

 この2つを最初に攻めたのは、決して悪い判断ではなかったはず。


 しかし――ならば次に攻めるべきはどこか?

 桜花藩の北側を攻めるのも一つの手だ。

 だが、戦略的・地理的に考えれば、まずは南東部に位置する深詠藩を落とすのが定石だろう。

 ここを支配下に置けば、近麗地方南部の半島のようになっている地域の全てが桜花藩の領地になる。

 他藩からの侵攻ルートを制限でき、軍事的な防衛が行いやすくなるはずだ。


「俺一人なら、このまま深詠藩に向かえたのだがなぁ……」


 独りごちるように呟く。

 那由他藩は、桜花藩から深詠藩へ向かう際の通り道にあたる。

 このまま進軍すれば、余計な手間をかけずに済む。


「……仕方がないか」


 せっかく確保した人質たちを那由他藩に残して旅立つのは、下策中の下策だ。

 那由他藩上層部が俺に従う理由がなくなる。

 最悪の場合、那由他藩と深詠藩の間で挟撃される可能性すらあるだろう。


 となれば、一度桜花藩に戻り、人質を確実に管理できる体制を整えるのが最優先だ。

 湧火山藩のときはそうしたしな。

 今回は経路的な意味で二度手間になるが、これぐらいは仕方ない。

 俺がそんなことを考えていると――


「高志様!」


 どこか可愛らしくも、聡明さを感じさせる声が聞こえた。

 この声には聞き覚えがある。

 顔を上げると、視界の先に見慣れた姿があった。

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