【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1224話 クラーケン撃破

公開日時: 2023年12月5日(火) 12:20
文字数:1,870

 俺たちはクラーケンと交戦中だ。

 連携プレイから、最後に蓮華の一撃で触手の1本を根本から切り飛ばした。

 それはいいのだが――


「蓮華! 早く戻ってくれ! 海に落ちたらマズイぞ!!」


 俺は叫ぶ。

 人魚メルティーネの加護を受けている俺はともかく、蓮華は海に落ちたら無事で済むとは思えない。


「心配無用! この程度、拙者にとっては朝飯前……って、ぬおおぉぉっ!?」


 クラーケンの触手が蓮華を横薙ぎに叩いた。

 蓮華は辛うじてガードする。

 だが、その威力を完全に殺せず、遠くの海上へと吹き飛ばされてしまう。


「蓮華ーーっ!!!」


 俺は叫ぶが……返事は無い。

 あれはマズイぞ。

 この大海原で孤立……。

 クラーケンやその他の魔物に襲われたらひとたまりもない。

 それに、単に海上の遭難者という点だけでも非常に危険だ。


「お館様、私にお任せを。――【ワープ】」


 レインが呟く。

 次の瞬間、レインの姿がかき消えた。

 そして……すぐにまた現れる。


「お館様! 蓮華様を救出して参りました!!」


 レインがそう言う。

 彼女の背後には、蓮華の姿があった。

 どうやらレインの空間魔法で救出できたらしい。


「助かったでござる! ……とうっ!!」


 蓮華が即座に戦線へ復帰する。

 触手を根本から切り飛ばしたのは快挙だが、命知らずの無茶はやめてほしい……。


「ふふん。順調じゃない。――【トリプル・バースト】!!」


「【ボルカニックフレイム】だよっ!」


 蓮華の無事を確認した俺たちは、再びクラーケンとの戦闘を再開する。

 ユナが弓で、マリアが火魔法でクラーケンへ攻撃を加えた。

 引き続き、激しい戦闘が繰り広げられていくが――


「……? な、なにか様子がおかしいですね……」


「ふふん。クラーケンの動きが雑になっているわね。触手を根本から切られて、錯乱しているのかしら?」


「ちょっとかわいそうだけど……。チャンスだよっ!!」


 ニム、ユナ、マリアがそう分析した。

 確かに、クラーケンの動きに精細が欠け始めているように見える。

 それに、触手の再生にも手間取っているようだ。


「ごああっ! 【ファイアーブレス】!!!」


「いくわよ! 【シャドウエッジ】!!」


 ドラちゃんと月が、クラーケンに攻撃を加えている。

 もう終わりが見えてきているかもしれない。

 クラーケンの攻撃が無秩序になっている。

 バシャバシャと、船とは程遠い海面を触手で叩いていた。


「ヤケになったら勝負は終わりです。――はああぁっ! 【オフェンシヴ・アーマー】!!」


 ニムが土魔法を発動する。

 周囲が海ということもあって、土魔法の発動は普段よりも困難だ。

 ここまで温存気味に戦ってきたようだが、ここで勝負を決めるべく発動したのだろう。

 ニムは岩の鎧を纏うと、それを維持したままクラーケンに猛スピードで駆け寄った。

 そして――


「【ブリリアント・パンク】!!」


 強烈な体当たりをクラーケンに叩き込む。


「グオオォーッ!?」


 クラーケンは苦悶の悲鳴を上げた。

 そのまま、船とは反対方向へとバランスを崩す。


「ニム、素晴らしい体当たりだったぞ。そして俺は、こちら側にスタンバイ済みだ」


 俺はニムが突進する直前に、空間魔法でクラーケンの後方にワープしていた。

 そして、クラーケンがバランスを崩すタイミングを待っていたのだ。

 右手に紅剣アヴァロン、左手に紅剣ドレッドルートを持ち、構える。

 普段は両手で握る大剣だが、一瞬なら二刀使いも可能だ。

 闘気と魔力を高め、そして――


「【斬魔二刀流・六道輪廻】!!!」


 俺はクラーケンに渾身の攻撃を叩き込む。

 これで終わったか……?


「タカシさんっ! お気を付けください!! どうやら、まだ終わっていないようです……!」


 サリエが叫ぶ。

 クラーケンが再び暴れ出したのだ。


「グオオォッ! グオオォーッ!!」


 咆哮を上げる、巨大なイカのような魔物――クラーケン。

 だが、もう力強さは感じない。


 その体には大小様々な傷があった。

 切り傷もあれば、矢が刺さっている箇所もある。

 凍りついている触手もあれば、焦げている触手もある。

 先っちょが切り飛ばされている触手も、根本から切り飛ばされている触手も。

 俺たちが総攻撃を仕掛けて、クラーケンにダメージを与え続けた結果だ。


「これでトドメです! はあああぁっ! 【剛拳流・侵掠すること火の如し】!!!」


 ミティが上空から叫ぶ。

 あれは……レインの空間魔法で上方に転移させてもらったようだな。

 ミティはその手に持つハンマーに膨大な闘気を纏い、クラーケンに向かって急降下した。


「【ギガント……ボンバー】!!!!!」


 ミティのハンマーが炸裂する。

 それを受け、クラーケンの頭部が陥没する。

 そして、巨大なイカの魔物はついにその活動を停止したのだった。

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