【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1466話 ふんどしの山

公開日時: 2024年8月5日(月) 12:25
文字数:1,289

「影春様って、女性にあんまり興味がないんだよね……」

「そうそう! お城の人には美人が多いのに、全然見向きもしないんだから!」

「影春様、もしかして同性愛者なんじゃ……?」

「何それウケるー! あははっ!!」


 少女たちの笑い声が聞こえる。

 結構、ギャルっぽい感じだな……。

 いや、俺のチートスキル『異世界言語』がそう翻訳しているだけかもしれないが。


「でもさ、もし影春様が本当にそうだったらどうしよう? 私は、それでも……」

「えー! あんたって女同士でもいけるタイプなの!?」

「ち、違うわよ! 影春様が特別ってだけ!」

「ふーん、そうなんだー。……ん? どうしたの?」

「ねぇ……。あれって……」


 少女たちは会話をやめてしまう。

 どうしたんだろう?


「……あの行李に、何か入ってる……?」

「えっ? うそっ!?」

(やべぇっ!?)


 俺は焦る。

 秘技『インビジブル・インスペクション』は便利だが、完璧に気配を消せるわけではない。

 何かしらの違和感を覚えられて注視されると、その後はもろいものだ。


「ちょっと見てくるね!」

「あっ、待ってよ! 変質者とかだったら、下手に刺激しない方が……」

「大丈夫だって! どうせ、小動物か何かでしょ。一応確認するだけ!」

(まずい!!)


 かごの中にいる『何か』が、俺という侵入者であることはまだバレていないようだが……。

 このままでは、時間の問題だ。

 少女たちがかごの中を覗こうものなら、いよいよ『インビジブル・インスペクション』が意味をなさなくなる。


(何か策はないか……?)


 俺は周囲を見渡す。

 何もない。

 元々あったふんどしは俺の『アイテムボックス』に収納したのだから、当然だ。

 ん?

 ふんどし……?


(これだ!)


 俺はかごの底で姿勢を極限まで低くした状態で横になる。

 そして『アイテムボックス』を開放し、俺の上に大量のふんどしをぶちまけた。

 ふんどしの山に埋もれた俺の姿は、外からは見えないはずだ。


「うーん……。何もいないね」

「あれ? そうなの?」

「うん。ほら、洗濯するために集めておいた私たちのふんどしが入ってるだけで……」


 少女たちが行李の中身を確認する。

 やはり俺の姿は見えていないらしい。

 そして、このふんどしのものは彼女たちのもので確定した。

 下着ソムリエの俺は、見ただけで『これらは美少女たちのものである』と確信していたが……。

 こうして、本人たちの証言が出てきたのは大きい。

 心の中に少しだけ残っていた『ひょっとたら中年侍が持ち主かも』という疑念は完全になくなった。


「ふーん……。ま、いっか! じゃ、そろそろ休憩を終わろう」

「そうだね! 洗濯はまたあとでいいし……ん? あれあれ?」

「どうしたの?」

「なんか、かごの中の量が増えてない……?」

「えっ? あっ! ほんとだ……!」


 少女たちが騒ぎ始める。

 元々は、かごの中には大量のふんどしが入っていた。

 そして今は、その下に俺が潜んでいる。

 当然、全体的な体積は増えているわけで……。

 直接的に俺の姿は見えていなくとも、ふんどしの山が不自然に膨らんでいるのを見れば、少女たちが異変に気づくのも不思議ではない。


(まずい……!!)


 どうすべきか。

 このままだと、少女たちに見つかるのは時間の問題だ……!!

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