【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1355話 ミティ純愛ルート -1

公開日時: 2024年4月16日(火) 12:19
文字数:1,459

 ふと気が付くと草原に立っていた。

 天候は晴れ。

 風が涼しげにざわざわと吹いている。


「ここはどこだ……?」


 辺りの様子を探る。

 見覚えのない草原が遠くまで広がっている。


 俺はサザリアナ王国の貴族だ。

 日本から異世界に転移したあと、ミティやアイリスを幸せにするため奮闘して……。

 ……ん?

 ええっと、あれ……?


 ミティ?

 アイリス?

 誰だっけ……?


「いかんな。記憶が混乱しているみたいだ」


 改めて整理しよう。

 俺は無職だ。

 いつも通り、自室でゴロゴロしていたはず。


 さっきの謎の記憶は何だったのだろう?

 どこかで見たアニメやマンガの影響で、夢でも見ていたのだろうか?

 すでに記憶があやふやだ。

 どんな名前の人たちがいたかすら、よく思い出せない。


「さて、これからどうするか……。……ん?」


 視界の隅で何かが点滅している。

 ゲームのアイコンのようなものだ。

 何やら、ステータスやミッションという項目が並んでいた。




 ――とりあえず俺は剣術を強化して、どこかの街を目指すことにした。

 その途中で、魔物に襲われている馬車を発見。

 行商人、冒険者、フードの人の3名がいた。

 俺はすかさず助太刀する。


「あ、危ない!」


「きゃっ」


 馬車に乗っていたフードの人は、女性だった。

 俺は彼女を背中に、魔物を何とか牽制する。


「安心してください。俺があなたを守り抜いてみせます!」


「あ、ありがとうございます」


 俺は女性に笑いかける。

 そのとき――ちょっとした突風でフードが脱げた。


「あっ……」


 俺は絶句する。

 その女性の顔は、とても美しかった。

 それに、可愛かった。


「あ、あなたは……?」


「私は……ミティと申します」


 彼女はそう名乗る。

 この出会いは運命だ!

 俺はそう確信する。

 勢い任せに魔物を討伐した俺は、改めてミティに向き直る。


「あの……私の顔に、何かついてますか?」


「いや……。その……」


 俺は口ごもってしまう。

 ミティの可愛さに見惚れたなんて言えない。


「俺と結婚してください!!」


 俺は勢いで求婚してしまう。

 これが俺とミティの出会いだった。




 ――その後、彼女の身分が奴隷であることを知った。

 価格はなんと……金貨400枚。

 とても払えない。

 だが、その程度の障害で諦められるほど、俺の愛は軽くなかった。


「さぁ、マイエンジェル・ミティ。今日から君は俺のものだ。他の誰にも渡さない」


「は、はい……」


 俺は金貨400枚の借金をして、ミティを購入した。

 異世界に来た即日に、凄まじい額の借金をしたのである。

 身元が怪しい上、前金もない状態だったのでかなり悪い貸し付け条件だった。

 金利は高く、借金を完済するまで街から出てはいけない。

 しかも、返済が滞った場合に俺は奴隷に堕とされてしまう。


 だが、幸いにして俺にはチートがある。

 その効果はまだ検証中だが……。

 たぶんきっと、何とかなるだろう。


「冒険者もいいが、怪我が怖いんだよな」


「は、はぁ……」


「思い切って鍛冶師になってみようか。ミティはドワーフだし」


「それは……」


 ミティが何か言いたそうにしている。

 ドワーフといえば鍛冶が得意だろう。

 そんな彼女に鍛冶をさせれば、きっと良い剣を作ってくれるはずだと思ったのだが……。


「実は、俺には特殊な技術があってね。ミティに鍛冶スキルを与えることができる。そして俺も同じく、鍛冶スキルを習得することが可能だ」


「そ、そんなことが……?」


 驚愕するミティ。

 俺はそんな彼女に、鍛冶術を取得させる。

 これでミティも立派な鍛冶師だ。

 併せて俺も鍛冶術を取得する。


 その後、俺たちは満を持してラーグの街の鍛冶師に弟子入りした。

 そして、着実に実力を伸ばしつつ借金を返済していくのだった。

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