ビーチバレーボール対決が佳境を迎えている。
勝負は意外にも、サーニャちゃんチームが優勢だ。
しかし、それをひっくり返そうとエレナたち3人が動いている。
「ふんっ! 私たち『三日月の舞』をここまで追い詰めたことを褒めてあげるわ! ただの町娘たちにしては、よくやったほうよ!!」
「にゃにゃっ! いちいち偉そうな人にゃ……。でも、そんなことを言われても手加減してあげないにゃ!!」
サーニャちゃんがエレナの言葉に反発する。
確かに、エレナは何かと偉そうなんだよな……。
まぁ、根は悪い奴じゃないんだろうが……。
あの物言いで、損をすることも多そうだ。
「手加減なんて不要よ! これから、私たちの本気を見せてあげる! いくわよ! 2人とも!!」
「了解ー!」
「分かったっす!」
ルリイとテナに声をかけたエレナ。
3人が一斉に魔力を高め始めた。
「な、なんだかヤバイ雰囲気が漂ってきたにゃ! まさか、魔法で攻撃してくる気にゃ!? 反則ですにゃ!!」
「そんな無粋なことしないわ! 安心なさい。これは、魔力を利用しただけのスーパーなサーブよ! はあああぁっ!!」
「「はあああぁっ!!」」
エレナに合わせ、ルリイとテナも声を上げる。
彼女たちの全身からは、まるでオーラのように魔力があふれ出ていた。
「なかなかの魔力だね……」
「は、はい。これほどの力を持っていたとは……」
モニカとニムが呟く。
彼女たちが本気を出せば、エレナたちよりも一回り以上強力な魔力を発することができる。
だが、それは俺の『ステータス操作』の恩恵を受けてきたことによる影響が大きい。
純粋に自らの力だけでこれほどの魔力を出すのは、なかなかできることではないだろう。
「いくわよっ! 火と雷と土の合わせ技! 【三位一体・ウルトラスーパー・ライジング・ファイアー・サンダー・アース・アタック】!!」
「【流星砲】ー!!」
「【ギガント・ハンマー】っす!!」
「にゃにゃっ!? 技名がバラバラですにゃ! って、――にゃああっ!!」
ドゴォンッ!!
エレナたちの放った必殺技が炸裂し、サーニャちゃんチームの陣地を蹂躙した。
その勢いは凄まじいもので、サーニャちゃん、モニカ、ニムはコートの外まで吹き飛ばされてしまった。
「いててですにゃ……!!」
「あたた……。油断したなぁ……」
「す、凄い威力でした……」
3人はそれぞれ痛そうにしている。
とんでもない威力のサーブだったが、所詮はビーチバレーボール。
大きなケガはないようだ。
いや、それよりも重大かつ深刻な事態が起こっている。
(お、おお……! モニカとニムの水着がズレて……胸が見えている……!!)
彼女たちは俺の妻だ。
有り難いことに、これまでに何度も夜の生活で見せてもらったことがある。
しかし、こうして明るい日差しの下で、改めて見ると……とても興奮する光景だった。
(いかんいかん……。今は試合中だぞ)
観戦に集中しないと……!
そう思いつつも、どうしても視線が胸に行ってしまう。
しかも、それだけではない。
(さ、サーニャちゃんの……おっぱいも見えているだとっ……!?)
彼女は膨らみかけの少女の胸だが、それでも十分に魅力的だった。
いや、膨らみかけだからこそ、なのか……?
いずれにせよ、最高にエッチな光景であることに変わりはなかった。
大の字で砂に埋められた俺の体。
その内側からの力で、股間部の砂が少し盛り上がってしまう。
「にゃにゃっ! 凄い威力のサーブだったですにゃ! でも、次は――」
「あ、さっちゃん! 胸が!!」
「にゃっ!? にゃにゃーっ!!??」
モニカの指摘を受け、サーニャちゃんが自分の痴態に気づいてしまった。
そして、モニカとニムたちと共に、水着のズレを元に戻してしまう。
眼福もここまでか……。
「にゃにゃ……! にゃぁをこんな目に合わせるなんて許さないにゃ!! よりによって、お客様の前で……!!」
サーニャちゃんが怒りの形相で、エレナたちを睨む。
結構ガチ目に怒っているようだ。
「ふんっ! 胸を見られた程度で騒ぐなんてね! 胸をさらけ出す覚悟もなしに、ビーチバレーボール勝負を受けたのが間違いよ!!」
エレナは堂々としていた。
胸をさらけ出す覚悟なんて、誰もしていないと思うが……。
彼女だって、自分が同じ目にあったら取り乱すはずだ。
「そ、そこまで言うなら、にゃぁにも考えがあるにゃ! 後悔しても遅いにゃよ!!」
サーニャちゃんが叫ぶ。
それと同時に、彼女のブレスレットが光を放ち始めた。
あれは一体……?
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