【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1191話 男1人、美少女10人、密室、2日間

公開日時: 2023年11月1日(水) 12:51
文字数:2,172

 ミリオンズ会議は終了した。

 だが、海上を襲っている嵐が去るまでもう少しの時間が必要そうである。

 というわけで、隠密小型船の潜水状態は継続したままだ。

 もう丸2日が経過する頃だろうか。


 隠密小型船は元よりさほど大きな船ではない。

 そして、潜水時にはさらに窮屈な状態になる。

 船倉を除けば、一部屋分ぐらいのスペースしかない。


 男1人、美少女10人、密室、2日間。

 何も起きないはずがなく……。


「ひぃ……。あへぇ……」


「ひあぁ……」


「……ニムちゃん、マリアちゃん。2人とも、大丈夫なの?」


 ニムとマリアがよだれを垂らして、うわごとを呟いている。

 傍から見れば、まるで熱に浮かされているように見えるかもしれない。

 ユナが心配そうに声をかけている。


「心配無用さ。気持ち良く寝ているだけだろう。……それにしても、ユナは元気だな。まだ責め足りなかったかな?」


「わ、私もギリギリよ! というか、見なさいよ! この惨状を!!」


 ユナが指をさす。

 その先には、力なく横たわるミリオンズメンバーの姿があった。


「うーん……。やりすぎたか……」


 俺としたことが、愛する妻や女たちとの密室空間でハッスルしてしまった。

 潜水中につき時間が分かりにくいこともあり、ずいぶん長く励んだ。

 ぶっちゃけ俺も疲労感を覚えている。


「ふふ……。さすがのタカシさんもお疲れですね」


「サリエもな」


 俺とサリエは、互いに見つめ合い苦笑する。

 彼女は治療魔法のエキスパートなので、まだ余力があるらしい。

 同じく治療魔法使いであっても、アイリス、マリア、リーゼロッテあたりは疲労困憊な様子だが……。


「ピピッ! マスター、何か飲み物はいかがでしょうか?」


「ああ、頼む。ちょっと喉が渇いたな」


 俺はそう答える。

 ティーナが飲み物を出してくれる。

 彼女は古代アンドロイドだ。

 言うまでもないことだが、今回のプレイには加わっていない。

 人口知能が搭載されているとはいえ、さすがにアンドロイドとヤルのはな……。


「うむ。美味い」


 俺はティーナが出してくれた飲み物を一飲みする。

 そして、みんなの様子を改めて観察した。


「そう言えばさ……」


「ふふん。どうかしたの?」


「考えなしにアレしてしまったなぁ……と思って」


「アレって……アレのことね」


 ユナが呆れたようにため息をつく。

 あまり大っぴらに言うことでもないのでボカしたが、それで伝わったらしい。


「子どもができたらどうしよう? いや、本来は喜ばしいことなんだけどさ。これからヤマト連邦に潜入するのに……」


 俺は頭を抱える。

 男女の生物的な違いにより、こういう場面における男の負担は少ない。

 だから、考えなしに行動してしまった。


 ヤマト連邦の潜入作戦は、ぶっちゃけ行き当たりばったりなところがある。

 どんな風に事が運んでいくか分からない。

 潜入作戦中の異国の地で腹が大きくなっていくのは、あまりよろしくない気がする。

 まぁ、今回ので妊娠したとしても、さすがに出産までには任務を終えているだろうが……。


「今さら? 本当に、タカシっていい加減よねぇ……」


「全くもってその通りでございます。反省しております」


 ユナの言葉に、俺はうなだれる。

 俺は女好きだが、ここまで暴走してしまうとは。

 スキル『精力強化』や『夜戦術』あたりの副作用もあるかもしれない。

 もっと自分を律しなければ……。


「でも、別にいいじゃない。妊娠しても」


「えっ!?」


 予想外の言葉に、俺は驚く。

 ユナはあっけらかんと言い放った。


「私たちは強いからね。妊娠初期ぐらいなら、普通に動けると思うわよ。それに、いざというときには治療魔法の使い手もたくさんいるしね。だから、そんなに心配する必要はないわ」


「そういうものか?」


「ええ、そうよ。子どもが出来たら出来たで、いいじゃない! 家族が増えるのよ? ヤマト連邦のことは大事だけど、帰った後の賑やかさを想像して、前向きに考えましょう」


 ユナがにっこりと笑う。

 俺の心にかかっていたモヤが少し晴れていく気がした。


「そうだな……」


 俺はうなずく。

 確かに、今そんなことを心配していても仕方がない。

 後で考えることにしよう。


「ふふ……。ちなみに、ユナも妊娠しても構わないのか?」


「当然でしょ? むしろ望むところよ!」


 俺の問いに、ユナは元気にうなずいた。

 俺との子どもは望むところらしい。

 男冥利に尽きる言葉だ。

 マグナムが再び臨戦態勢になっていく。


「なら、2回戦目といこうか!」


「は? い、いや、それは無理! 2回戦どころか、もう5回戦ぐらいしてるじゃない!」


 ユナが慌てふためく。

 そう言えば、それぐらいしていたか?

 潜入中につき、回数の感覚も狂い気味だ。


「ユナ、それにニムとマリアは特に可愛がったのだったな……」


 ミティ、アイリス、モニカも可愛い。

 サリエ、リーゼロッテ、蓮華、レインも魅力的だ。

 しかし……、男の本能だろうか?

 まだ俺の子を生んでいない女性の中で、昔から俺と行動を共にしている者に、今回は強い魅力を感じてしまったのだ。


「ならば仕方ない。他に健在の者は……」


 俺は周囲を見回す。

 ニムとマリアはダウン中。

 ユナにはさっき断られた。

 ミティ、アイリス、モニカ、リーゼロッテ、蓮華、レインも疲れて眠っている。

 サリエは……いつの間にか俺に背を向けて横になっていた。

 どうやら彼女も疲れていたようだ。


「うーん……。この有り余る情熱をどうしたものか……」


 俺は頭をひねる。

 そして、俺の目に留まったのは――

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