【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1241話 一大事

公開日時: 2023年12月22日(金) 12:48
文字数:1,848

「ふむ……。こうなっているのか……」


「あの……。恥ずかしいのであまりまじまじと見ないでください……」


 俺の目の前で、侍女リマが恥ずかしそうに身をよじった。

 現在、彼女は下半身の着衣をずらし、股間部を露出している。


「恥ずかしがる必要などない。これは重要な行為なんだ。人族と人魚族の相互理解のためにも、しっかりと見ておかねば……」


「そ……そうですね! これは種族間の相互理解なのですから!!」


 俺が胸を張ってそう言うと、リマも納得した様子でうなずいた。

 彼女の視線は、俺の股間部分に集中している。


「これが……人族の……」


 リマは興味深そうに俺の股間部を観察している。

 少しくすぐったい感覚だ。


「あ……あの、触ってみてもよろしいでしょうか……?」


 リマが興味津々な様子で聞いてきた。

 10歳ほどの美少女にして、王女メルティーネに仕える忠実な侍女。

 きっと、教養や家柄が良く、品行方正な少女なのだろう。

 そんな彼女が頬を上気させ、目を潤ませて……俺の大事なところを触りたがっている……。

 正直、興奮するなという方が無理な話だろう。


「ああ、もちろん構わない。何ならそれ以上の――いや、待て!!」


「えっ?」


 俺はリマを静止した。

 行為に後ろめたさを感じたわけではない。

 この『海神の大洞窟』に近づいてくる気配を察知したのだ。


「え? ど、どうなさったんですか?」


 リマが困惑している。

 彼女は俺の股間に夢中で気づかなかったようだが……。


(この気配は……?)


 俺もリマも、股間を露出した状態だ。

 これをメルティーネあたりに目撃されるとマズイかもしれない。

 彼女は俺に対して好意を抱いてくれている様子だからな。

 囚われの身にもかかわらず侍女に手を出すなんて……。

 そんな不名誉な誤解をされる可能性がある。


「リマ! 服を着るんだ! 俺の服も頼む!!」


「は……はい……」


 俺はリマに指示を出す。

 彼女は慌てて、自分の衣服を整えた。

 続けて俺のズボンも元に戻そうとするが――


「あの……ナイト様……! 一大事です!!」


「一大事だと!? いったいなんだ?」


「引っかかって元に戻せません……! い、いつの間にかサイズが変わっていませんか?」


 リマが困ったような顔で言った。

 彼女の言うとおり、俺のアレはサイズアップしている。

 この展開への期待感から、徐々に反応していたのだ。

 少しずつの変化だったのでリマは気づいていなかったようだが、こうしてズボンに戻す段階になって異変に気づいたらしい。


「こうなったときの対処は1つだが……! そんな時間はない……!!」


 俺は残念に思う。

 時間さえあれば、リマにアレコレしてもらえたかもしれないのに……。


(いや、諦めるな! 他の方法を考えるんだ!!)


 俺は思考を巡らせる。

 すぐに脳内検索が完了した。


「強引に戻してもらうしかないな……」


「え? 強引に……?」


「リマ! 俺のズボンを元の位置に戻すんだ! 全力でな!!」


 俺は指示を出す。

 時間がないからな。

 さっさと済ませる必要があるだろう。


「で、でも……。引っかかってますけど……。無理やりしたら、折れちゃったりしませんか?」


「大丈夫! 俺の体は頑丈なんだ! この程度で折れたりはしない!!」


 俺は『夜戦術』や『精力強化』のスキルを取得済みだ。

 その副次的な恩恵により、アレの頑強さも通常の比ではない。

 俺が力強く言うと、リマも納得した様子でうなずいた。


「そう……ですか? わ、わかりました! やるだけやってみます!」


 リマは俺のズボンを全力で引っ張った。

 ズボッ!!


「やった!」


 リマが嬉しそうな顔をする。

 俺のズボンは、強引に元の位置に戻った。


「よし!」


 俺はガッツポーズをした。

 これでメルティーネが戻ってきても問題ない。

 股間部のズボンが盛り上がってしまっているのが不自然だが……。

 モロに露出したままよりはマシだろう。


 あとは、彼女が来るまでに少しでも鎮めておけば問題はあるまい。

 そんなことを考え、安心する俺。

 だが――


「くくっ! 捕らえられた人族ってのは、どんな奴なのかねぇ……」


「噂じゃ、ジャイアントクラーケンと互角に戦ったとかどうとか……」


「そんなことあり得ねぇだろ! 正規軍やジジイどもが大げさに言っているだけさ!!」


「おいおい……。もし本当にそうだったらどうするんだよ?」


「だから、本当なわけねぇって! 嘘つきの人族は、俺たちでボコボコにしてやろうぜ!!」


「うひょー! そりゃいいねぇ!!」


 洞窟の入口方面から、下卑た笑い声が響く。

 どうやら、来客はメルティーネ姫ではないようだ。

 友好的な雰囲気も感じない。

 むしろ、敵意を向けられている。

 さて、どうしたものか……。

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