【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1164話 エレナへの加護(小)付与

公開日時: 2023年10月4日(水) 12:14
文字数:1,777

 俺はエレナの口を物理的に塞いだ。

 これにより彼女の追及が止んだ。

 作戦成功である。


 その後は、俺、モニカ、ニム、リオンの4人でオルフェスに戻った。

 冒険者ギルドのギルマスにリオンを引き渡すと同時に、いずれはハイブリッジ領にリオンを引き取りたいという旨を伝えた。

 これで俺の用事は終わりだ。

 あとはオルフェスで静かに、隠密小型船の完成を待つだけなのだが――


(ふふ……。これは予想外の収穫だな……)


 俺は内心でほくそ笑む。

 今回の一件で、思わぬ収穫があった。

 それは、エレナが加護(小)の条件を満たしたことである。


(これまでのやり取りでも、ジワジワと上がってはいたが……。今回の件が決定打になったようだな。あのキス……いや、ひょっとすると大型聖魔法が決め手か?)


 あの時の俺は、大型魔法の発動に集中していた。

 そのため、周囲への警戒が少しばかり疎かになっていた。

 そこをエレナにやや遠くからとはいえ目撃されたようである。

 俺の正体がハイブリッジ男爵であることにも、薄々は気付き始めているのかもしれない。


(『三日月の舞』で最初に加護の条件を満たすのが、エレナになるとはな……)


 小悪魔系のルリイや気さくなテナではなく、暴言の激しいツンデレのエレナの忠義度が最も高いことになる。

 この点は、彼女だけが俺の正体に勘付き始めていることとも無関係ではないだろう。


 ……ま、細かいことはいいか。

 今はそれよりも、ヤマト連邦の件が優先だ。

 エレナ含む『三日月の舞』とは、帰還後にゆっくりと交友を深めればいい。

 とりあえず、エレナのステータスにだけさっと目を通しておこう。



レベル?、エレナ=ヒューティア

種族:ヒューマン

身分:平民

役割:さすらいの冒険者

職業:火魔法使い

ランク:C


HP:??

MP:??

腕力:低め

脚力:??

体力:??

器用:??

魔力:高め


残りスキルポイント:???

スキル:

火魔法レベル5(4+1)

??



(さすがはCランク冒険者と言うべきか……。火魔法が強化前の時点でレベル4だったとはな)


 俺はエレナのスキルに感心する。

 美少女3人組のCランクパーティという点で、『三日月の舞』と『雪月花』は似通っていると思っていた。

 それぞれが魔法を扱えるという点も同じだしな。


 しかし、あくまで魔法に注目するなら、エレナの方が格上と言っていい。

 雪、月、花の魔法系スキルは、それぞれレベル3だったからだ。

 まぁ、彼女たちには格闘術や剣術のスキルがあるので、一長一短ではあるのだが……。


 とにかく魔法特化で、前衛が必要な場合には臨時メンバーと組むこともある『三日月の舞』。

 それぞれが魔法に加えて近接戦闘の手段を持っており、3人組パーティとして高い安定感を持つ『雪月花』。

 方向性は違うものの、どちらも強力なパーティだと言っていいだろう。


 『雪月花』は既にハイブリッジ男爵の御用達冒険者として頑張ってくれている。

 『三日月の舞』はこれからリンドウで静養する予定だ。

 既にここオルフェスを出発し、西方に向かっている。

 その後の流れ次第では、『三日月の舞』もハイブリッジ男爵の御用達冒険者として定着してくれるかもしれない。

 ヤマト連邦の件が終わったあと、彼女たちと交流するのが楽しみなところだ。


「マイハニー、隠密小型船の完成はもう間近なんだよな?」


「そうだね。あと数日って聞いているよ。そろそろみんなを迎えに行かないとね」


 俺の問いに、モニカが答える。

 あと数日か。

 それならば、確かにそろそろミリオンズを集結させ始めるべき頃合いとなる。


「か、完成と同時に全員が揃っていたら、スムーズに出発できますもんね」


「ああ、その通りだ。1日単位で急ぐようなものでもないが、早めに行動しておくに越したことはないだろう」


 ニムの言葉に、俺は頷く。

 隠密小型船の完成に合わせてミリオンズを集結させておくのがベストだ。


「じゃあ、俺はこれからオルフェスとラーグを転移魔法で往復していくことになる。クールタイムの関係でオルフェスから離れたままの時間も多いし、こちらにいる間もMPの消耗で少しばかり活力がないかもしれない。2人には申し訳ないが、フォローを頼む」


「うん、任せて!」


「ダダダ団の件は解決済みですし、何も起きないと思いますよ。兄さんは、気楽な気持ちで転移魔法を使ってください」


 モニカとニムは笑顔で頷く。

 俺はそんな2人に軽く頷き返し、ラーグに転移する諸準備を進めていくのだった。

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