【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

244話 こいつらに迫撃砲は効かねえ!

公開日時: 2021年3月20日(土) 10:13
文字数:2,297

ディルム子爵領までやってきた。

俺、ユナ、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。

アルカ。

それに、村の戦士たちもいっしょだ。


 街から1キロほど離れたところから、街の様子をうかがう。

街の周りには外壁がある。

侵入するには門をくぐる必要がある。

もしくは、壁を登るかだが……。


「さて。どうやって街に入ろうか?」


「うーん。警備の人が結構いるねえ」


「そ、そうですね。こっそりと入るのは難しそうです」


 俺の言葉に、モニカとニムがそう答える。


 門の周りには10人以上の警備兵がいる。

なかなかの警戒態勢だ。

俺たちの攻勢が予測されていたのかもしれない。


「正面突破でいいんじゃないかな。ボクたちは、やましいことをしているわけじゃないしね」


「そうですね! 私たちの力を見せつけてやりましょう。むんっ!」


 アイリスとミティがそう言う。


「ふふん。気が合うわね。私たちもそう思っていたところよ。ねえ? みんな」


「「「おうともよ!」」」


 ユナの言葉に、村の戦士たちがそう答える。

ずいぶんと勇ましい。

彼らがそう言うのであれば、その方向性でいいか。

他に良さそうな方法もないし。


「ふふん。じゃあ、最初から全力でいくわよ!」


 ユナ、それに村の戦士たちが集中した顔つきになる。


「「「赤狼族獣化!」」」


 村の戦士たちの髪が赤に変色していく。

さらに、耳が狼っぽく変容し、牙が生えてきた。


「ふう! 暑くなってきたぜ!」

「よっしゃあ! 脱いでから攻め込むぜ!」


 村の戦士たち、そしてユナが服を脱いでいく。

彼らは炎の精霊の加護を受けているため、獣化したら体温が上がると言っていた。

その影響だろう。


 鎧なども付けずに半裸となった。

防御力は心もとないが、機動力は高まる。

それに、彼らの鍛え抜かれた体であれば、鎧なしでもそれなりの防御力はあるだろう。


「ふふん。いくわよ! 総員、突撃ぃ!」


「「「うおおおおお!」」」


 ユナの指示のもと、街の出入り口に近づいていく。


「き、来たぞ! ウォルフ村のやつらだ!」


「落ち着け! まずは迫撃砲の準備だ!」


 門の警備兵たちがこちらに気づく。

あの口ぶりだと、やはり俺たちの攻勢は予測されていたようだ。


 警備兵の上官らしき人の指示のもと、大砲のようなものがこちらに向けられる。

あれから砲弾が飛んでくるとすると、なかなかヤバそうだ。


「ふふん。各自、砲弾を警戒して!」


 ユナがそう言う。


「まあ待て。俺たちに任せておけ」

「わ、わたしの土魔法でがんばって防いでみます」

「私もがんばります!」


 俺、ニム、ミティがそう言う。

俺たちの実力であれば、砲弾も何とかできるだろう。


「迫撃砲用意! 撃てぇ!」


 ドン!


 上官の指示のもと、砲弾が発射される。

それほど大きくはない砲弾だ。

直径数十センチといったところか。


 視力強化を取得している俺なら回避することは造作もない。

しかし、そうすると後ろの戦士たちに負傷者が出るかもしれない。

彼らは獣化していて身体能力が高まっているので、無用な心配かもしれないが。

ここは万全を期そう。


「……焼き尽くせ。バーンアウト!」


 俺はオリジナルの火魔法を発動させる。

火力がかなり強い魔法だ。

その代わり、対象は無生物に限定される。

生物に対して発動した場合は、火力が大幅に弱くなる。


 もともとは、射掛けられた矢などを焼き尽くして無効化する意図で開発した。

もう10か月ほど前のことになる。

出番がないときもコツコツと練習は続けていた。

ようやく、日の目を見たというわけだ。


 ジュッ。

砲弾が俺の火魔法により熱せられて、蒸発する。

直径数十センチの金属の塊を一瞬で蒸発させるほどの火力。

やはり、とんでもない火力だ。


 これで魔物や敵対的な人物相手にも使えれば非常に強力なのだが、そうはいかない。

対象を非生物に限定する制約のもとで成立している魔法だからな。


「なっ!? バカな。砲弾が……消えただと!?」


 一般兵が驚きに目を見開く。

ふふふ。

俺の実力にひれ伏したまえ。


「うろたえるな! 次弾を発射せよ!」


 ドン!

上官の指示のもと、砲弾が発射される。


「……ロックアーマー」


 ガシッ!

ニムが、ロックアーマーをまとった状態で砲弾を受け止めた。


「わ、わたしのロックアーマーの前では、砲弾など無意味ですね」


 ニムがそう言う。

彼女の防御力はミリオンズでも随一だ。

非常に頼りになる。


「う、嘘だろ!? なんだあの土魔法の練度は!」


「うろたえるな! 三度目の正直だ! 次弾を放て!」


 ドン!

上官の指示のもと、砲弾が発射される。


 やれやれ。

学ばない男だ。

二度あることは三度あるという言葉を知らないのかね。


「ここは私にお任せを」


 ミティがそう言う。

何をするつもりだろう。

彼女がこう言うぐらいだから、何らかの対砲弾用の技があるのだろうが。


 ミティがハンマーを振りかぶる。

砲弾のタイミングに合わせて、ハンマーをフルスイングする。


「ビッグ・ホームラン!」


 打った!

強烈なライナーが敵陣を襲う!


「うわあああ!」

「退避! 退避ぃ!」

「伏せろーー!」


 敵兵たちはてんやわんやだ。

そりゃそうだ。

撃った砲弾が自分たちに返ってきたわけだからな。


 ドゴーン!

ミティが打ち返した砲弾は、門に直撃した。

門が半壊し、街への入口が開かれる。


 あそこから入れそうだ。

もちろん、目の前の敵兵たちを何とかしてからだが。


「くっ! 迫撃砲の使用は中止だ! こいつらに迫撃砲は効かねえ!」


 敵の司令官が慌ててそう言う。

ようやく、学習したか。


「Cランク冒険者と聞いていたが……。Bランク級の実力者がいるようだ! 総員、心してかかれ!」


「「「はっ!」」」


 上官の指示のもと、敵兵たちが戦闘の構えをとる。

ここからが本番だ。

無事にここを突破し、ディルム子爵に囚われているシトニとクトナを救出できるのか。

気を引き締めていこう。

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