【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1217話 花とゴロゴロ

公開日時: 2023年11月27日(月) 12:08
文字数:1,808

「うぅ……。私の旦那様は性豪すぎるわ……」


「……腰が抜けた。立てない……」


 月と雪が布団の上でぐったりしている。

 俺は彼女たちとの仲を深めることに成功し、満足していた。


「はわわ~……。は、花ちゃん、すごいものを見ちゃったよ~……」


 花が顔を真っ赤にしている。

 唯一、俺がまともに手を出せていないのが彼女だ。

 最初の頃から最も俺に友好的だった花。

 労働嫌いののんびり屋さんだ。

 しかし、三姉妹で最も身持ちが固かったりもする。

 肉体的なスキンシップに関してはそこそこ緩いが、いざベッドインというタイミングで拒否されてしまったことがある。


「さぁ、花。次はお前だ。一緒に良い夢を見ような」


「はわぁ~……」


 花が再び顔を赤くする。

 俺が彼女に接近すると、慌てた様子で距離を取る。


「も、もうダメだよう~……」


「むっ? どうしたんだ?」


 花の様子が変わったことに気がつく俺。

 すると、花が叫んだ。


「もう! もう!! 恥ずかしくてダメだよう~!!」


 そう叫びながら、花は布団に潜り込んでしまった。

 布団がガサガサと音をたてている。


「お、おい! どうしたんだよ!?」


 俺は慌てて布団をはぎ取ろうとする。

 だが、無駄だった。

 Cランク冒険者でもある花だ。

 全力で抵抗されては、対処は難しい。

 その気になれば強引に何とかできるが、それは最後の手段だな。

 布団がダメになるだろうし、何より花を無理やりどうこうしたくない。


「う~……。あうぅ……」


 しばらくして、花が布団から顔を出した。

 顔は赤いままだが、落ち着きを取り戻したようだ。


「大丈夫か? 無理強いはしないからな?」


 俺がそう聞くと、花は首を横に振った。


「うぅ……。違うの~……」


 そう前置きしてから、花が話し始める。


「い、嫌ではないの~。ただ、恥ずかしくて……。つい逃げちゃったんだよ~」


 花の声は弱々しいものだったが、しっかりと聞き取れた。


「恥ずかしいなら、無理しなくてもいいぞ? 嫌がっている相手には何もしないから」


 俺は花に語りかける。

 彼女は少しだけ悩み……、そして再び口を開いた。


「……花ちゃんね~。実はね~、男の人が苦手なんだよ~」


「そうなのか?」


 俺は驚いた。

 そうならそうと早く言ってほしいものだ。

 しかしそれにしては、俺に対してフレンドリーに接してくれていたが……。


「男の人は苦手だけど~。タカシさんは別だったの~。どうしてか、花ちゃんにも分からないよ~」


「ふむ……」


 俺は考える。

 それが事実なら、俺だけが特別ということだろうか。

 あるいは、別の要因でもあるのか……。


「でも~、このままだとタカシさんに嫌われちゃうから~」


 そう言って、花が俺を上目遣いに見る。

 心なしか不安そうな表情だ。


「そんなことないさ。肉体的な繋がりだけが全てじゃない。俺は花のペースに合わせるさ」


「ありがとう~、タカシさん~」


 花が笑顔になる。

 少しは落ち着きを取り戻してくれたようだ。


「じゃあ、一緒に布団に入ろうよ~」


「あ、あぁ……」


 俺は花のペースに合わせると言った手前、断ることができなかった。

 まだ昼ぐらいなのだが……。

 大きな問題はないか。

 昼寝と思えばいい。


「じゃ~ん! 花ちゃん、布団でゴロゴロだ~!」


 花が布団の上で転がる。

 やっていることが、完全に子どものそれである。

 そう言えば、マリアも似たようなことをやっていたような……。


「タカシさんも一緒にゴロゴロしよ~」


「あ、あぁ……」


 俺も花の隣で横になった。

 2人で並んで寝転がっている状態だ。


(……やはり、花からはいい匂いがするな。船旅が始まってから、風呂には入っていないはずなのに……)


 花からはほのかに甘い匂いが漂っていた。

 香水の匂いなどではない、自然な匂いだ。


「いい匂いがするな」


 俺はつい口に出してしまう。

 花の雰囲気が和らいだ気がした。


「えへへ……。花ちゃんも、タカシさんの匂いが好きだよ~」


 花は照れながらも答えてくれる。

 和やかなムードだ。

 たまにはこういうのもいい。


「……ねぇ、雪」


「……どうしたの? 月姉ぇ……」


 布団の外から、月と雪が小声で話している声が聞こえる。


「このままだと、私たちの出番はなさそうね」


「……そうだね。こんな仕打ちを受けるなんて……」


 そんなやり取りが聞こえた。

 俺が花とイチャイチャしていることが、お気に召さないようだ。


「私たちも行くわよ!」


「……うん。花姉ぇばかりにいい思いはさせない……」


 月と雪が布団に入ってくる。

 花が寝ているのとは反対側だ。

 こうして俺は、三姉妹に囲まれてしばしの昼寝をしたのだった。

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