【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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1627話 その場しのぎの言い訳

公開日時: 2025年1月14日(火) 12:10
文字数:862

「余は……何も悪いことはしていない! 藩主として適切に統治を行っていた!!」


 景春が叫ぶ。

 四肢を拘束され、目隠しをされながらも、その叫びだけは力強い。

 ギリギリのラインで藩主としてのメッキは保っているようだ。


「ほう? 藩主としての適切な統治ねぇ……」


 俺は景春を挑発するように言う。

 そのまま、言葉を続けた。


「お前が藩主になってから、思いつきのような増税が繰り返された。そのおかげで、一部の平民は飢えに苦しむことになった」


「そ、それは……」


 景春が口ごもる。

 これを指摘されることなど、最初から分かっていたはずだ。

 幽蓮の生首を見た恐怖から、その場しのぎの言い訳をしようとしているだけ。


「百歩譲って、必要な増税だったのならば仕方のない面もあっただろう。例えば、周辺の藩との戦に備えてだとか……」


「そうだ! 必要な増税だった!」


「だがな、景春。一時的に増えた税収により、お前は贅沢三昧だったそうじゃないか。既に調べはついている。まさにこの大広間で、豪華な宴会を開いたこともあったそうだな」


「ぐ……」


 景春が口ごもる。

 図星らしい。

 紅葉や流華の生活苦も、元はと言えば景春が好き勝手に増税して贅沢三昧をしたからだ。


「そ、それは……謎の事象により余が正気を失っていて……」


「ほう? お前は、正気を失ったまま政治を行っていたのか?」


 俺はあえて嘲笑を浮かべながら言う。

 そのあたりの調査も終わっている。

 景春の話は嘘ではない。

 桜花七侍の面々も少なからず心当たりがあるのか、景春に同情的な視線を向けている。

 だが、目隠しをされている景春がその視線に気付くことはない。


「まだあるぞ。お前の最大の罪は……弱いことだ。大量の一般侍や桜花七侍との戦闘で、あのときの俺は少しばかり疲弊していた。そんな俺を相手に、お前は無様に敗北した」


「う……」


「優しい俺だったから良かったものの、これが残虐な侵略者だったならどうなっていた? 家臣団や民が皆殺しにされていたかもしれんぞ?」


「だ、黙れ……っ!」


 景春が叫ぶ。

 しかし、虚勢を張っているだけだとすぐに分かる。

 そろそろ最後の仕上げといこうか。

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