【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1116話 ケットシーの腕輪

公開日時: 2023年8月17日(木) 12:19
文字数:1,647

 エレナたちの三位一体のサーブにより、弾き飛ばされたサーニャちゃんたち。

 その衝撃で、水着までズレてしまった。

 事故とはいえ、羞恥プレイを強要されたサーニャちゃんが怒る。


「にゃにゃっ! 風の精霊よ! にゃぁに力を貸すにゃーっ!!」


 サーニャちゃんが叫びながら、右手を掲げる。

 すると、その手に装着されていたブレスレットが輝きを強めた。


「な、何なの!? そのブレスレットは!?」


「ふっふっふ! これがにゃぁの切り札にゃ!! パパとママから貰った古代魔道具――『ケットシーの腕輪』にゃ!!」


「『ケットシーの腕輪』……?」


「聞いたことがないねー……」


「オレっちも知らないっす」


 エレナ、ルリイ、テナが困惑している。

 彼女たちはCランク冒険者パーティである。

 それなりに多くの知識や経験を持っているはずだが、その彼女たちですら知らないとは。

 もちろん、俺も知らない。


「細かいことはいいにゃ! この風の力で、必殺のサーブをくらわせるにゃよー!!」


 サーニャちゃんが叫んだ。

 彼女自身の魔力はそれほどでもない。

 だが、あのブレスレットには魔力を増幅させる効力があるようだ。

 油断できない。


「くっ……。仕方がないわね……。みんな、全力を出し切るわよ!」


「了解ー!」


「分かったっす!」


 エレナの指示に従い、ルリイとテナが魔力を高める。

 普通のサーブなら、あれで十分に対応できるはずだが……。


「いくにゃ! 【サイクロン・インパクト】にゃ!!」


 サーニャちゃんが渾身の一撃を放つ。

 先ほどのエレナたちにも引けを取らないほど強烈なサーブだった。

 まるで竜巻のような暴風が吹き荒れる。


「くっ……。なんてパワーなの……!」


「こ、これは受け止めきれないよー」


「オレっちでも無理っす!」


 3人は必死に耐えようとするが、耐えきれなかった。

 そのまま、大きく後方に弾かれてしまう。


「「「きゃあああっ!!」」


 悲鳴を上げ、エレナたちが砂浜に倒れる。

 風にやられただけなので、大きなケガはないはずだが……。


「うぅー……! つ、強い……」


「もう魔力が限界っすよ……!」


 ルリイとテナが悔しそうな表情を浮かべている。

 彼女たちの魔力が尽きかけているのだ。

 まぁ、素の身体能力はさほどでもないもんな。

 それを魔力で増幅させていたのだから、当然といえば当然の結果だろう。


「ふふーんにゃ! 負けを認めるのにゃ!?」


「ま、待ちなさい! 私はまだ諦めてないわよ!!」


 エレナが立ち上がる。

 しかし、魔力切れを起こしていては勝ち目はない。

 このままでは、サーニャちゃんの勝利が確定するだけだ。


「にゃにゃっ! まだやるのかにゃ!?」


「えぇ、そうよ! 私は誇り高き『三日月の舞』のリーダー! やがてAランクにまで上り詰める実力の持ち主なのよ! こんなところで、簡単に引き下がるわけにはいかないわ!!」


 エレナが叫ぶ。

 ビーチバレーボール勝負くらい、どうでもいいような気もするが……。

 彼女にとっては、負けられない一戦のようだ。


「にゃにゃっ!? 敵とはいえ、その意気込みは見事にゃ!!」


「ふんっ! 当然よ!!」


 エレナが宣言する。

 彼女の慎ましい胸が張られ……て……?


「にゃっ!? にゃにゃ……」


「どうしたのよ? ははーん……。さては、私の気高さに見惚れちゃったのね! 分かる、分かるわ! 今の私は、まさに気高く美しいものね!!」


 エレナが調子に乗る。

 だが、サーニャちゃんは言葉を失ったままだ。

 少し離れたところから見ている俺も、同じだった。


(エレナの水着が……ズレている……)


 しかも、さっきよりも被害は大きい。

 胸だけでなく、下側も……。


「あ、ああっ!? エレナちゃん、水着がズレてるよー!!」


 ルリイが気づいたようで、声を上げる。

 ドヤ顔を決めていたエレナだが、すぐに顔を真っ赤にした。


「ちょっ……!」


「って、ああっ! ルリイっちもズレてるっすよ!!」


「うそー!? は、恥ずかしいーっ!!」


 エレナ、テナ、ルリイが騒ぎ出す。

 おいおい、見られる覚悟とかはどうなったんだよ。

 俺は思わぬ眼福を味わえて嬉しいが……。

 砂に埋められた俺の体の一部が、またさらに大きくなったような気がした。

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