【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

961話 誤動作?

公開日時: 2023年3月15日(水) 12:04
文字数:2,047

 腹を下したリッカは、最新機能付きのトイレで出すべきものを出した。

 それはいいのだが、トイレに用意されている紙の量が少ないことにリッカが気づいた。

 タカシに指摘したところ、便器の近くにあるボタンを押せと言われる。


 彼女が言われた通りにボタンを押すと――

 ヴィィイン……!

 何かが起動するような音がした。


(この音は……?)


 不思議に思うリッカであったが、次の瞬間には答えを知ることとなる。

 突然、彼女のお尻の下あたりに温かい感触が広がったのだ。


「ひゃうっ!?」


(こ、これは一体……!?)


 突然の感覚に驚くリッカ。

 彼女はすかさず逃げようとするが、その直前に思い直したように動きを止めた。


(この水流は、トイレの下から吹き出ているです……! 僕様ちゃんが逃げたら、この水流で周囲が大変なことになるです……)


 もし仮に自分が逃げれば、この最新機能付きのトイレとやらが被害を受ける可能性がある。

 それを理解した彼女はその場に留まり続けた。

 下から出続ける水流を、自身のケツで受け止めている格好だ。

 なんとも間抜けな構図だが、本人は真剣である。

 聖女たる者、人に迷惑を掛けるわけにはいかないのだ。


「んっ……。ふうぅ……」


(変な感じです……。くすぐったいような……)


 そんなことを考えているうちにも、水流の勢いはさらに増していく。

 もはや滝のような水量のようにも錯覚してしまうほどだ。


「くっ……。タカシ=ハイブリッジ!」


「……ん? なんだ?」


 個室の外から、緊迫感のない返事が聞こえてきた。

 まぁ、それも仕方のないことではある。

 個室の中の様子など、タカシには分からないのだから。


「この最新機能付きトイレとやらは、壊れているです! なんとかしろです!!」


「え? そんなはずはない。一流魔導技師のネフィが作ってくれたんだ。それに、俺が使ったときは正常に作動していたぞ?」


「嘘つくんじゃないです! そんなわけないですから!! んあぁっ……!」


「――だってさ、ネフィ。お前もミスることがあるんだな」


 リッカの切羽詰まった様子を感じ取り、タカシはネフィに話し掛ける。


「うん……? そんなわけがないんだよ。試運転はバッチリしてきたんだよ」


 ジェイネフェリアは少し困ったような表情で答えた。

 どうやら彼女もまた、リッカの言う異常事態に心当たりがないらしい。


「ふざけるなです! 現に壊れていて僕様ちゃんが困っているです!! あふぅぅ……!」


 リッカが再度、個室の中から抗議してくる。

 そんな彼女に対し、タカシは言った。


「仕方ないな。実際にどんな風に誤作動しているのか、確認してみようか」


「分かったんだよ。確かに、その方が早いんだよ」


「よし。ならば、もしものときのために持っていた俺の合鍵を使うとしよう」


 そう言うと、彼はアイテムボックスから一本のカギを取り出した。

 ガチャガチャ……。

 彼はそれを、個室トイレの鍵穴に差し込んだ。

 そのまま鍵を解除しようとするが――


「ま、待てです! お前、何をしようとしているですか!?」


 焦った様子で叫ぶリッカ。

 その様子から察するに、やはり何かマズいことが起きているのだろう。

 聖女様は相当ご立腹のようだ。


「大丈夫だって。ちょっと確認するだけだから」


「大丈夫じゃないです! 僕様ちゃんは今、見られたらマズイ状態になっているんです!!」


「ほう……。マズイとはどういうことだ? 詳しく見せててくれないか?」


「ぐぬぬ……! お、お前なんかに見せてたまるかなのです!! んぁっ……!」


 リッカが必死に主張する。

 繰り返すが、彼女はトイレから吹き上がる水流をケツで受け止めているのだ。

 そんな恥ずかしい姿を異性に見られることなど、到底耐えられるものではない。


「困ったな……。万全のはずのトイレが壊れていると言う。それでいて、どう壊れているか実際に見せることはできないと言う。実に勝手な言い分だ。さすがは聖女様だな」


「ぐっ……。そ、そんなことを言われても、見せられないものは見せられないのです……。おふっ……!」


 タカシから嫌味を言われてしまうリッカ。

 彼女は悔しそうに歯噛みしている。

 だが、そんなやりとりをしている間にも、彼女の尻穴には水流が直撃しているのだ。


(うぅ……。もう限界が近いです……!!)


 そろそろ我慢の限界を迎えそうなリッカだったが――


「ええっと、リッカさん? 右のボタンを押してみるんだよ」


 ジェイネフェリアの声が扉の向こう側から聞こえてきた。


「み、右です……?」


「そうなんだよ。とりあえず、電源を切ってみればいいと思うんだよ」


「わ、分かったです!」


 言われるままに、ボタンをポチッと押すリッカ。

 その瞬間――

 ヴィィィィィン……!!

 水流の勢いが増した。


「うあぁあっ!? なんでぇ!?」


 たまらず悲鳴を上げるリッカ。

 それも当然であろう。

 なにせ、彼女は間違えて左側のボタンを押してしまったのだから。


「くっ……。同じボタンをもう一度押すです!!」


 キュゥゥン……!

 さらに勢いを増す水流。

 もう止まらない。


「ひぃっ!? ああぁぁぁぁぁぁっ!!!」


 尻穴に強烈な水流を受け、リッカは悶絶する。

 彼女の運命や如何に――

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