【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1514話 vs桜花七侍・無月

公開日時: 2024年9月22日(日) 12:48
文字数:1,168

「はぁっ!」


 無月がクナイを投擲する。

 俺はその全てを刀で叩き落とした。


「ふっ!」


 俺は刀を振るう。

 しかし、無月には避けられてしまった。

 彼女は身軽な動きで俺から距離を取る。


「逃がさん」


 俺は無月に迫り、居合切りを放つ。

 しかし、それも避けられてしまった。

 そのまま、俺たちは激しく交戦する。


「ちいっ……!」


 俺は舌打ちした。

 やはり、無月は強い。

 身体能力もさることながら、彼女の技術はかなりのものだ。

 俺も刀を振ったが、その全てを見切られている。


「どうした? 手詰まりのようだな」


 無月が笑みを浮かべる。

 確かに彼女の言う通り、俺は攻めあぐねていた。

 このままではジリ貧だ。


「くくっ! さらに絶望的な情報を教えてやろう」


「絶望的な情報……?」


「雷轟殿は、老若男女の誰が相手でも発奮する変態だ」


「何……?」


 俺は眉をひそめる。

 こいつの言葉は真実なのか?


「武神流の跡取り娘……まだ幼い故、普通の男ならば食指は動かんだろう。だが、あやつならば話は別だ」


「つまり……」


「娘の身柄を確保した今、いつ手籠めにしていてもおかしくないということだ。ひょっとすると、今頃は……」


「……」


 俺は沈黙する。

 無月の言葉の真偽は分からないが、それが真実だった場合……。

 桔梗の貞操が危ない!


「うおおおっ!」


 俺は刀を振りかぶった。

 しかし、その攻撃は避けられてしまう。


「そんな荒い攻撃では、俺を倒せん」


 無月はクナイを構える。

 そして、俺に向かって投擲してきた。


「くっ……!」


 俺は刀でクナイを弾き飛ばす。

 その隙に無月が距離を詰めてきた。

 彼女は俺の懐に入り込み、クナイを突き出す。

 それは俺の腹に深々と刺さった。


「終わりだ!」


 無月が勝利を確信する。

 しかし、それは早計だ。

 俺は彼女の腕を掴むと、そのまま地面に組み伏せた。


「な、何だと!? どこからこんな力が……! 腹の傷は、確かに致命傷のはず!!」


 無月が叫ぶ。

 俺は構わず彼女を組み伏せたまま、その首元を締めあげた。


「悪いな。俺は治療妖術を使えるんでね。これぐらいの傷、どうってことないのさ。迂闊に近づいてきたのがお前の敗因だ」


「そ、そんな……! がっ……! ぐああっ……!!」


 無月は苦悶の表情を浮かべる。

 彼女は俺を跳ね飛ばそうと、もがいた。

 しかし、俺の腕力の方が上だ。


「これで終わりだ」


 俺は無月の耳元で囁く。

 そして、そのまま力を込めた。


「がっ……!」


 無月の体がビクンと跳ねる。

 彼女は意識を失ったようだ。

 俺はゆっくりと手を離す。

 すると、彼女は地面に倒れ伏した。


「……これでいい。敵とはいえ、格下を無闇に殺す必要はない……。流華に忍びの術を教えてもらうのもアリだろう。だから落ち着け、俺……」


 俺は深呼吸する。

 心の中に、荒ぶる黒い衝動が湧き上がってくる。

 それを必死に抑えながら、俺はその場を去ろうとした。

 そのときだった。


 ドスッ!

 俺の背後で、何かの物音が聞こえてきたのだった。

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