【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1484話 恥ずかしいですよぅ…

公開日時: 2024年8月23日(金) 12:01
文字数:1,192

「兄貴、言ってくれ。オレはどんな困難も乗り越えてみせる」


「私もです。高志様、お願いします」


 2人が真剣な目で俺を見つめる。

 その目は、『どんなことでも受け止める』と雄弁に語っていた。


「分かった。では、説明するぞ。『エンプフィントリヒ・ユングフラウ』の意味は……」


「お、おう……!」


「はい……!」


 2人が息を呑んだ。

 そんな2人に向かって、俺は告げる。


「『敏感な処女』という意味だ」


「……は?」


「え……?」


 流華と紅葉がキョトンとする。

 なかなか珍しい表情だ。


「だから、『敏感な処女』という意味だ」


 俺は再び説明する。

 おぼろげな記憶によると、ドイツという国の言葉だった気がする。

 エンプフィントリヒが『敏感な、感じやすい、デリケートな』という意味で、ユングフラウが『処女、乙女』という意味だったはずだ。

 俺の説明を受け、2人は目を剥いた。


「な、何だよそれ!?


『敏感な処女』って!?」


「何と言われても……。そういうことなんだよ。名前の通り、未経験の少女が発動した場合に効果が増す魔法なんだ。そういう魔法として開発したからな」


 俺は苦笑するしかない。

 これは、2人と出会う以前から実験的に開発していた魔法の1つだ。

 記憶を失った直後は存在自体を忘れていたが、ふとした瞬間に『そういえば、こんな魔法を作っていたな』と思い出し、開発を再開していたのである。


 以前の俺は、どんな気持ちでこの魔法の開発を始めたのだろう?

 よく覚えていない。

 ひょっとしたら、若い女の子の仲間とか弟子みたいな存在がいて、その子に使ってもらおうと思ったのかもしれないな。

 制約条件がちょっとセクハラじみているのはどうかと思うが……。

 魔法自体は有用なものだし、細かいことはいいだろう。


「は、はうぅ……。わ、私……その……」


「大丈夫だ、紅葉。お前ぐらいの年なら、むしろ普通だ。恥じらうことはない」


「で、でも……。恥ずかしいですよぅ……」


 顔を赤くする紅葉を励ます。

 彼女は12歳ぐらいだ。

 その年で処女なのは別におかしなことではないだろう。

 まぁ、婚姻年齢や出産年齢というのは国や地域によって異なるので、俺の常識がどこまで通用するか分からないが……。

 それでも、さすがに12歳で経験済みが当たり前ということはないはずだ。


「た、高志様……」


「ん?」


「私のこと……嫌いに……なりませんか?」


 紅葉が上目遣いで尋ねてくる。

 そんな質問、答えが分かりきっているではないか。


「なるわけないだろう? どうしてそんな心配をする?」


「だ、だって……。その……経験不足ってことは子どもっぽいってことですし……。大人の女としての魅力が……」


「問題ない。紅葉は十分に魅力的さ」


「本当……ですか?」


「ああ、本当だ」


「で、でも……」


 紅葉はなおも不安そうだ。

 彼女は村育ちとは思えないほど頭がいいし、上っ面の言葉だけでは納得できないのだろう。

 仕方ない。

 ここは、もう少し理屈で説明することにしようかな。

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