ニッケスの義足を急ピッチで作ってくれたジェイネフェリア。
その無理がたたり、彼は倒れてしまった。
そこで、俺は彼を休ませるために、ある秘策を実行することにした。
俺は彼を抱えて、自分の部屋に移動する。
「とりあえず、ここに寝転んでくれ」
「ええっ? ここは男爵さんのベッドじゃ……」
「いいからいいから」
「うぅ~、なんか怖いんだよ」
ジェイネフェリアは渋々といった感じでベッドにうつ伏せになる。
俺はそんな彼に馬乗りになった。
「ちょ、ちょっと何するつもりだよ!?」
「大丈夫だ。心配はいらない。すぐに終わるからな」
「うわーん。助けてなんだよぉ~」
俺は泣き叫ぶジェイネフェリアを押さえつけながら、ズボンを脱がせる。
すると、可愛らしいお尻が露わになる。
思わずむしゃぶりつきたくなるが、必死に堪える。
「ひぃいっ! な、何をしようとしてるんだよ! 変態なんだよ!」
「まぁ落ち着け。男同士じゃないか」
俺は女好きだ。
女と見れば見境なく襲ってしまう。
しかし、それは相手が女であればの話である。
同性である男の相手など、俺にとっては作業に過ぎない。
彼は中性的な外見をしているので、その気になれば……。
いや、今は考えないでおこう。
「うぅ……恥ずかしいんだよ……」
「大丈夫だって。すぐに慣れるさ」
俺はポケットからとある薬を取り出した。
そして、彼の尻を指で広げる。
「あっ! そ、そこはダメなんだよっ!」
「暴れると危ないぞ。大人しくしろ」
「怖いっ! ゆ、許して欲しいんだよ!」
俺は容赦なく尻穴に薬を入れる。
これは座薬タイプで、体内に直接注入することができるのだ。
「うぐっ! あ、熱いんだよ! 身体が熱くて変な気分なんだよ!」
「すぐに効果が出るはずだ。安心しろ」
「あ、あああああッ!」
ジェイネフェリアは絶叫を上げながら悶絶している。
しばらくすると、彼はグッタリしてしまった。
「ふむ。だいぶ楽になってきたようだな」
「あ、ああ……なんだろう……凄く気持ちよくなったんだよ……それに……すごく幸せな気持ち……まるで生まれ変わったような……」
ジェイネフェリアは虚ろな瞳で言う。
よし、成功だ。
俺はホッとした。
この座薬には、俺の治療魔法の魔力を込めている。
そのため、通常の治療魔法では対応しきれない寝不足のような症状にも効果がある。
「これでますます魔道具の製作が捗るはずだ」
「うん……そうかも……なんだか……眠たくなって……」
「ゆっくり休むといい。起きたらまた話そう」
「わかったんだよ……おやすみなさい……だんしゃくさん……」
ジェイネフェリアは寝息を立て始めた。
その顔はとても幸せそうだ。
「ふふふ……。たまにはこういうのも悪くはないな。新たな扉を開けそうだ」
野郎の尻に座薬を入れるなんて、本来は罰ゲームだが……。
不思議とジェイネフェリア相手なら苦ではない。
ベッドに寝かせることだってそうだ。
俺のキングサイズのベッドには、本来は仲睦まじい関係の女性しか招かない。
加護(小)を付与済みのキリヤやトリスタでさえ俺のベッドで寝たことはない。
……まぁ、当然と言えば当然だが。
そんな中、ジェイネフェリアは俺のベッドで寝た初めての男となったわけだ。
「中性的な容姿をしているとはいえ、さすがに一線を超える覚悟はできないが……。しかし、ネフィの方は受け入れ態勢が整っていたりするのか?」
彼の安らかな寝顔を見て、俺はそんなことを考えてしまう。
なにも血迷っているわけではない。
根拠がある。
彼が加護(小)の条件を満たしたのだ。
レベル?、ジェイネフェリア=ミザリィ
種族:ヒューマン
身分:平民
役割:ハイブリッジ男爵家御用達魔導技師
職業:ーー
ランク:ーー
HP:??
MP:??
腕力:低め
脚力:??
体力:??
器用:高め
魔力:??
残りスキルポイント:???
スキル:
魔導具作成術レベル5(4+1)
集中術レベル3(2+1)
??
以前から知っている通り、彼は一流の魔導技師だ。
スキル上も『魔導具作成術』のレベルが高い。
今後もハイブリッジ男爵家のために尽力してくれることは間違いないだろう。
俺が男色家になるかどうかについては、要検討とする。
「さて。いよいよ残す用事もあと一つか……」
俺はベッド上でそう呟く。
最後に残った仕事は、リンドウの採掘場にある古代遺跡――その通路を塞いでいるアダマンタイトの巨石をどうにかすることだ。
あれだけは、俺たちミリオンズがいる間に済ませておくべきだろう。
「ネフィ。本当によく頑張ってくれたな。改めて礼を言うぞ」
「んん……。すぴぃ……」
ジェイネフェリアはスヤスヤと眠っている。
俺はそんな彼の頭を撫でる。
彼の仕事は、ニッケスの義足作りだけではない。
固くて重いアダマンタイトの鉱石をどうにかするための魔導具も作成していたのだ。
彼には無理させっぱなしである。
有能な者には仕事が集中しがちだ。
トリスタも似たようなものか。
戦闘関係であればミリオンズで対応できるのだが、内政や生産系となるとどうしてもな。
いずれは彼に助手を付けてやりたいところである。
「よし。明日は最後の仕事に向かうとしよう」
俺はそんなことを思いながら、ジェイネフェリアの隣でゆっくりするのだった。
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