「では、脱がせるぞ」
「う、うん……」
俺は流華のボロ切れを脱がせる。
すると……。
「……ほう」
俺の口から、無意識に声が洩れる。
流華の胸部には、意外にも多少の大胸筋が存在していた。
わずかではあるものの、確実に膨らみがある。
彼は男だが、まだ12歳前後。
栄養不足だったこともあり、もっと貧相な体をしていると思っていた。
謝罪回りの際も、チラリと見た感じではやせ細った胸部という印象を受けたが……。
「な、なんだよ? 何かおかしいのか?」
流華が不安そうに言う。
俺は慌てて首を振った。
「いや、そんなことはないぞ。素晴らしい胸部だ。将来、きっと大きくなる」
「そ、そうか?」
「ああ。俺が保証する」
「兄貴がそう言うなら……」
流華は満更でもなさそうだ。
男にとって、大胸筋の発達具合は重要だからな。
女性たちにアピールする上で、一つの武器になる。
「それにしても良い大胸筋だ」
「あ、兄貴? なんだか視線が……」
「ちょっと触らせてもらってもいいだろうか?」
俺はそう問う。
男同士なので特に遠慮する必要はないようにも思える。
これはあくまで、念の為の確認だ。
彼は年頃の少年だし、いきなり触られることに若干の嫌悪感を覚える可能性もあるからな。
「え、えっと……」
「ダメか?」
「……うぅ」
流華はもじもじしている。
あくまで念の為の確認だったのだが、ちょっと意外な反応だ。
「わ、分かったよ。兄貴なら……いいよ……」
流華が小さな声で言う。
俺は彼の大胸筋に触れた。
「あっ」
流華の口から声が洩れる。
やはり、触られるのが不快だったのだろうか?
俺は今後、彼を一人前の男に鍛え上げる予定である。
加護付与スキルを駆使すれば効率よく強くなれるだろうが、それだけでは実力が身につかない。
ある程度は地道な鍛錬も必要だ。
適切な指導を行っていくためにも、彼の大胸筋の発達具合はしっかりと把握しておきたい。
「大丈夫か?」
「うん……平気だよ……」
流華はそう言いつつ、もじもじしている。
なんだか妙な雰囲気だ。
俺は彼の胸筋を揉みしだいた。
「あっ」
流華がまたも声を洩らす。
……これは本当に大丈夫なのか?
なんだか、俺まで変な気分になってきたぞ。
「筋肉が発達しているかと思ったが……なかなかに柔らかいな。女性の胸みたいだ」
「そ、そりゃそう――ひゃっ!?」
流華が何か言いかける。
が、途中で変な声をあげた。
「どうした?」
「……な、なんでもねぇよ!」
「本当か? 顔が赤いぞ?」
「ほ、本当だよ! 何でもないって!!」
「そうか。なら、続けるぞ」
俺は彼の大胸筋を揉み続ける。
流華は顔を真っ赤にしながら、ジッとしていたのだった。
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