【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1510話 師資相承

公開日時: 2024年9月18日(水) 12:20
更新日時: 2024年9月19日(木) 12:20
文字数:1,370

 雷鳴流の道場は、町外れにある。

 周囲は人通りも少なく、静かだ。

 俺は道場の門前に立っていた。


「門は閉まってるな……」


 門は固く閉ざされている。

 だが、この程度で諦めるわけにはいかない。


「【一刀流居合・獅子奮迅】」


 俺は居合の構えを取り、一閃する。

 すると門が真っ二つに切断された。


「よし……!」


 これで中に入れる。

 そう思ったのだが……。


「む?」


 中から、一人の大男が姿を現した。

 男は鉄製の棍を持っている。


「何者だ?」


「我が名は金剛。桜花七侍の一人、金剛だ」


 大男が名乗る。

 桜花七侍とは、桜花藩の藩主に仕える武闘派の七人衆のことだ。

 その中の一人が、この男らしい。


「そうか。俺の名は――」


「興味はない。聞くまでもない」


 金剛と名乗る男は、棍を振りかぶる。


「我は駒。ただ、主の命に従うのみ」


「そうか……。なら、押し通る!」


 俺は刀を構え、金剛に突撃する。

 そして、すれ違いざまに一閃を放った。


「……その程度か?」


 金剛が笑う。

 俺の一撃は、彼の頑強な肉体の前に弾かれた。


「なん……だと……?」


「我の鋼の肉体には、貴様の刀など通用せんわ!」


 金剛が棍を振り下ろす。

 その一撃を俺はバックステップで回避した。


「ふむ……。身のこなしは悪くないな」


 金剛は棍を構え直す。

 そして、俺に向けて再び突進してきた。


「はあっ!」


 俺は刀を振り抜く。

 だが、その攻撃も鋼の肉体に阻まれてしまった。


「く……」


「無駄だ! 貴様の攻撃など、我には効かん!!」


 金剛は棍を振り回す。

 俺はその攻撃を刀で受け止めた。


「ぐっ……!」


 重い一撃だ。

 近接戦では分が悪いな……。

 桜花七侍とやらの強さは未知数だったのだが、ここまでの強さとは……。


「ふん!」


 金剛がさらに力を込めてくる。

 俺はその勢いに押され、後方に吹き飛んだ。


「っ……!」


「どうした? もう終わりか?」


 金剛は余裕の表情を浮かべている。

 だが、俺は諦めない。


「まだだ……!」


 俺は立ち上がり、刀を鞘に収めた。

 そして、闘気を開放する。


「【一刀流居合・師資相承(ししそうしょう)】!!」


「む……?」


 俺の刀に、闘気が纏わりつく。

 そして、俺は抜刀した。


「……っ!」


 金剛が咄嗟に防御態勢を取る。

 だが……。


「ぐはっ……!」


 金剛の体が吹き飛んだ。

 俺の居合斬りが、彼の肉体を斬ったのだ。


「な、なんだ……!? この力は……?」


「これこそが武神流の秘奥義の一つ。師資相承だ」


 俺は言う。

 一刀流居合・師資相承……。

 この技は、武神流の歴史の中、師から弟子へと受け継がれてきた。

 長い年月をかけて練り上げられてきた、武神流の秘技だ。


「師資相承……!? そんな、馬鹿な……!!」


「この技は、長い歴史の中で磨き上げられてきた。お前に破れるものか」


 俺は再び剣を構える。

 今の一撃で、金剛の体には大きなダメージが入ったはずだ。

 しかし……。


「甘いな……! 貴様の実力は認めよう。武神流の歴史もな。だが、やはり時間が足りなかったようだ。歴史を積み重ねた技を十全に活かせておらん……!!」


 金剛が叫ぶ。

 彼の言うことにも一理はある。

 この技は歴史の積み重ねによって磨き上げられたものだ。

 だが、それは裏を返せば、長い年月をかけなければ完成しないということでもある。

 俺は桔梗や師範と出会ってから、まだ1か月も経っていない。

 その程度の時間で完成する技ではないのだ。


「ぬぅん!」


 金剛が棍を振りかぶる。

 それを見て、俺は迎撃の態勢をとるのだった。

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