「ふっふっふ……。さぁ、見ての通り俺は無手だ! これで、俺に害意がないことが分かっただろう?」
俺は左右の手に少女たちのふんどしを持ったまま、万歳のポーズを取る。
これで、少女たちの警戒は緩んだ。
「いや……でも、所詮は変態だし……」
「確かにそうだけどさ……。少しぐらい話さないと、立ち去ってくれないんじゃない?」
「うーん……」
少女たちが話し合う。
どうやら、俺の話を聞いてみる気にはなってくれたらしい。
説得がうまくいっているようでよかった!
……と思ったのだが。
「あっ、ちょっと! この変態侍! まだ武器を隠し持っているじゃない!!」
「え……?」
一人の少女が、俺を指差す。
だが、俺は無手だ。
武器など持っているわけがない。
「何の話だ? 俺は本当に何も……」
「とぼけても無駄よ! 私の目はごまかせないわ! あんた、侍装束の腰あたりに短刀を隠し持っているでしょ!」
「え……?」
俺は自分の腰回りを見る。
すると、股間部の布が不自然に盛り上がっていた。
「いや、これは……」
「やっぱり! あんた、私たちを辱める気満々ね!」
「ち、違う……。これはただの妖刀村雨で……」
「ほら、やっぱり武器を隠し持ってるってことでしょ!!」
少女の一人が叫ぶ。
まずい……。
少女たちのふんどしに埋もれて眠っていたあと、彼女たちに股間を掴まれてかごの中から引きずり出され、そして成り行きで彼女たちのふんどしをいただいた。
その一連の流れのせいで、妖刀村雨の封印が解けかかっている。
俺の股間は、侍装束の布を押し上げていた。
(くっ……! この妖刀村雨め……。どうして、こんなタイミングで……!!)
俺は心の中で悪態をつく。
だが、そんなことをしている余裕はない。
「やっぱりね! 敵意がないなんて嘘だったんだ!」
「私たちを騙して、辱めるつもりなんでしょ! 変態!」
「だから違うんだ……! これは……」
俺は必死に釈明しようとする。
だが、少女たちの俺を見る目は冷たかった。
(そんな目で見ないでくれ……)
もうこれ以上、何を言っても信じてもらえない気がする。
しかし、それでも俺は諦めない!
「聞いてくれ! 俺の名は『ふんどし仮面』! 改めて誓おう! 君たちに危害を加えるつもりは――ん?」
ひゅうっ……。
俺の言葉を遮るように、一陣の風が吹いた。
「あっ……」
俺は思わず声を上げる。
そして、少女たちも気づいたようだ。
自分たちの衣装が風でめくられてしまったことに。
「きゃっ!?」
「ちょっ……!」
「い、いやぁーっ!!」
彼女たちが悲鳴を上げて、股間部の衣装を手で押さえる。
普段なら、少しぐらい衣装がめくれても大騒ぎするようなことではない。
その下にはふんどしを着ているのだから。
だが、今は状況が違った。
「お、おおおっ……! うおおおおおぉーーっ!!!」
俺は感動に打ち震える。
なんということだろう!
少女たちの股間が丸見えではないか!
あまりの感動に、俺はつい大声で叫んでしまったのだった。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!