「お爺ちゃん……。高志くん……。う、うぅ……」
私、桔梗はうめき声を上げる。
私がいるのは暗い部屋だ。
窓はなく、扉は閉まっている。
そして、私は椅子に縛り付けられているのだ。
「く……っ」
私は歯を食いしばり、必死に椅子をガタガタと揺らす。
しかし、拘束具が外れる様子はない。
「無駄なあがきはやめなさい」
私の目の前で椅子に座っている男が笑う。
彼は武神流道場を襲ってきた集団のリーダーだ。
私を『指導』と称して痛めつけてきた奴でもある。
「……私をどうするつもり?」
「さてね。教えてあげてもいいですが……怖くて泣いちゃうんじゃないですか?」
「誰が……!」
私は男を睨む。
しかし、彼は余裕の表情を浮かべているだけだった。
そして、私に近付いてくる。
「まだ幼いですが、なかなかの美しさだ。……そうだ、いいことを思いつきましたよ。今度は剣術ではなく、夜の『指導』をしてあげましょうか?」
「ち、近寄らないで!」
私は叫び声を上げる。
だが、男は聞く耳を持たない。
「ふふふ……。良い目をしてますね。屈服させ甲斐がありそうだ……」
男は刀を抜く。
木刀ではなく、真剣だ。
「まずはその綺麗な体を見せてもらいましょう。大丈夫、私の腕なら体に傷は付きません」
男が刀を振りかぶる。
そして、私の服が切り裂かれた。
「……くっ!!」
「ふふ……。美しい……」
男は私を舐め回すように見る。
切り裂かれたのは胸元の服だけだが、かなり際どい。
「う……!」
私は身をよじる。
しかし、拘束具で縛られているため身動きは取れない。
男は私の目を見た。
その目は血走っており、私に対する情欲を隠そうともしない。
「では、次は下を……」
「い、いや……!」
私は思わず目をつぶる。
しかし、男は構わず私の衣服を刀で切り裂く。
下着が露わになった。
「ふふ……。良い眺めですねぇ」
「くっ……!」
私は唇を噛む。
そして、男を睨んだ。
そんな私を見て、男はさらに笑う。
「ふふ……。そんな目をしても無駄ですよ? もうあなたは私のものなんですから」
「違う! 私は、あなたのものなんかじゃ……!」
私は必死に抵抗する。
しかし、男にとってはそれも『嗜虐』のスパイスになるのだろう。
どんどん彼の表情が歪んでいく。
「さぁ、いよいよ主菜といきましょう」
「い、いや……!」
「ふふ……。さぁ!」
男の手が、私の下着に伸びる。
そのときだった。
「そこまでにしておけ」
重苦しい声が響く。
お爺ちゃんの声ではないし、高志くんの声でもない。
薄暗い部屋に、さらに影が差した気がした。
「これはこれは……。まさかあなたが自らお出ましするとは、無月様」
「その名を呼ぶな。迂闊者め」
影の正体は、全身黒ずくめの男だった。
男は覆面をつけており、その顔は窺い知れない……。
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