【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1140話 支配…されちゃう…

公開日時: 2023年9月10日(日) 12:07
文字数:1,681

 俺はオリビアに抑え込まれている。

 単なる腕力任せなら、すぐにでも押し返せただろう。

 しかし、今は違う。

 オリビアの左手にある短刀は俺の首筋を狙っており、右手は俺の男根をダイレクトに握りしめている。

 迂闊に動けば、社会的な意味で致命傷を受ける可能性がある。


(う、動けねぇ……!!)


 俺は彼女の力に屈するしかなかった。

 その抵抗できない様子を見て、オリビアが言葉を発する。


「沈黙ですか……。あなたの目的はよく分かりませんが、このままあなたを逃がせば面倒なことになるような気がします」


 オリビアはそう言って、さらに手に力を込める。

 俺の首でも切断する気か?


「ハイブリッジ男爵家に仇なす者……消えなさい!!」


 オリビアは勢いよく左手を振りかぶり、短刀を俺の首筋に突き刺そうとする。

 殺意満々だな、おい。

 しかし、少しばかり不用意でもある。


「ふんっ!!」


 俺は上半身だけをひねり、短刀を避ける。

 振りかぶってから突き刺してくるまでの時間があれば、これぐらいの対応は余裕だ。


「……なるほど。今の身のこなし……ただ者ではありませんね」


 オリビアが俺を睨みつける。

 仮病を使って、貴族配下の治療院職員と個室で2人きりになるように仕組んだおっさん。

 それも、意外に動けるタイプらしい。

 そんな俺に対して、彼女はどう対処してくるのか。


「ならば『こちら』で消すまで……。残酷な処置ですが、抵抗するなら致し方ありませんね」


「へ? ――ほおぉっ!!??」


 俺の股間から、脳天まで突き抜けるような痛みと快感。

 そして、視界に火花が散る。 


「おぁっ……!!」


 俺は声を上げるしかない。

 オリビアが俺の男根をさらに強く握ったのだ。

 いや、握りつぶしたと言ってもいいだろう。


(もうダメだ……!!)


 そう思った瞬間――

 ブチッ!!

 そんな音とともに、何かの魔力制御に失敗したような感覚がした。

 同時に、オリビアが驚きの表情を浮かべる。


「えっ? きゃああああああっ!!」


 俺の男根から手を離し、慌てて後ろに飛び退くオリビア。

 俺は何が起こったか分からない。


(一体、何が……)


 俺は股間を見る。


(!!!)


 そんな馬鹿な!?

 俺の男根は、何故か元気に直立していたのだ。


(――いや、それも当然か……。俺は『精力強化』『夜戦術』『肉体強化』『闘気術』などのスキルを持っているからな……)


 直接的に股間の頑強さを増す類のスキルではない。

 ただ、それぞれのスキルに股間の頑強さを強化する効果が内包されている感じだ。

 それらが重なり合った結果、俺の股間はとても頑丈になっている。

 さすがに剣で斬られたり棍棒で殴られたりしたら、どうなるか分からないだろうが……。

 今の感じからすると、恐らくオリビアの素手ぐらいではどうにもならないだろう。


「確かに全力で潰したのに……いったいどうなって……。こうなれば剣で……。いや、それよりもあなたのその顔は……偽物? しかし……」


 オリビアはひどく混乱しているようだ。

 短剣を構えたかと思ったら下ろしたり、俺の顔と股間を交互に凝視したりしている。

 股間はともかく、どうして顔を見られているのだろうか?

 先ほど感じた『何かの魔力制御に失敗した感覚』も気になる。

 しかし、今はそれよりも目の前の脅威だ。


「??? いったいどうなって……? と、とりあえず切り刻んで無力化します!!」


 オリビアが、混乱したまま剣を構える。

 切り刻んでしまっては、無力化も何もないだろう。

 自分が何をしようとしているか、理解していないのかもしれない。


 ここは一度、落ち着いてもらうか。

 シュッ!

 俺は高速でオリビアの背後に移動し、ヘッドロックをかける。


「ぐぅっ!? な、なんて圧倒的な力……!! やはり、あなた様は本物の……?」


 オリビアは俺の腕をほどこうとするが、俺の腕はビクともしない。

 彼女の技巧はなかなかのものだが……。

 この体勢になってしまえば、どうしようもできないだろう。

 このまま抑え込んで、落ち着いてもらうぜ!!


「うぅ……。つ、強い……。ダメ……この人には勝てない……。圧倒的な力で……支配……されちゃう……」


 オリビアがどんどん脱力していく。

 そして、ついには剣を落として、その場に座り込んでしまったのだった。

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