【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1518話 雷鳴の十傑

公開日時: 2024年9月26日(木) 12:19
文字数:1,055

 バァン!

 俺は稽古場に勢いよく駆け込む。

 そこには、10人近い男たちが待ち構えていた。

 彼らは俺に向かって刀を構える。

 その中のリーダー格と思しき男が口を開いた。


「よくぞここまで来ましたね。あなたの名は?」


「流浪の剣士、高志だ」


 俺は名乗る。

 すると、リーダー格の男は大きく頷いた。


「やはりそうでしたか。近頃、藩内で不穏な動きをしているという噂の……」


「俺はただ、桔梗を救いたいだけだ」


「ふむ。ならば急いだ方がよろしいでしょうね。今頃は奥の部屋で……くくく」


 リーダー格の男は薄気味悪く笑う。

 彼が視線を向けた方向には、襖があった。


 ここで、位置関係を整理しておこう。

 広い意味での『雷鳴流道場』の敷地は広く、中庭、食堂、休憩所、稽古場などが存在している。

 その中でも稽古場は敷地内の奥に配置されており、そのさらに奥には師範の私室があるらしい。

 おそらく、そこに雷轟と桔梗がいるのだろう。


「急ごうか? 決着はすぐにつく」


「くくくっ。それはどうでしょうか?」


 リーダー格の男は再び笑う。

 そして、刀を構えた。


「あなたは強いと聞いていますが……私は雷鳴流の準師範! そして……」


「俺たちは、序列一位から十位までの門下生……。通称『雷鳴の十傑』!!」


「我ら『雷鳴の十傑』を倒さねば、奥に進むことはできんぞ!!」


「どこから流れてきた侍かは知らぬが、俺たちに勝てると思うな!!」


 男たちは宣言する。

 そして、俺を取り囲むような配置についた。


「ならば、全員倒すまでだ」


「ほざけ!」


「十傑の力を舐めんなよ!!」


「身の程を知るがいい!!」


 男たちは一斉に襲いかかってくる。

 なかなかのスピードだ。

 俺はそれを迎え撃つ。


「はあッ!!」


 俺は刀を振るう。

 だが、男たちはそれを回避し、逆に刀を振るってきた。


「むっ……!」


 俺はそれを受け流す。

 ギリギリで頬をかすめたのか、頬から血が流れた。


「やるじゃないか」


 俺は呟く。

 門下生レベルを相手に、まさか傷を負うとは思わなかった。

 まぁ、この程度のかすり傷なら戦闘に何の支障もないけどな。


「ふんっ!」


 俺は傷を意に介さず、そのまま反撃に転じた。

 刀を振るうが、男たちはそれを巧みに回避する。


「なるほど……。一人ひとりが、かなりの手練れだな」


 俺は呟く。

 やはり、門下生とはいえトップ10に入るような実力者は違うらしい。

 1対10の集団戦というものあるが、そう簡単には勝てないようだ。


「臆したか、流浪人!」


「所詮は勢いだけの男よ!」


「我らの雷の如き剣速に敵うはずがない!」


 男たちは口々に言う。

 碓かにその通りだ。

 このままではジリ貧だろう。

 ……普通ならな。

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