【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

552話 バルダインへの加護(小)付与

公開日時: 2022年1月26日(水) 12:20
文字数:2,096

 ハガ王国にてマリアとの結婚の話を報告した。

 さらに、もう1つ大切な話を切り出す。

 俺の加護付与やステータス操作の力の件だ。


「……ということでして」


「ふむ……。なるほど」


 バルダインは腕を組みながら、何かを考え込んでいる様子であった。

 一方のナスタシアは興味津々といった感じで俺を見つめている。


「信じられないかもしれませんが、事実なのです」


 俺はそう説明する。


「そうか。もしそれが本当ならば大変なことだぞ」


 バルダインはそう言う。


「大変……ですか?」


「ああ。そのような力があれば、有能な仲間を着実に増やしていけるだろう。お前は既に我がハガ王国やサザリアナ王国にとって影響力の大きい人物だが……。それだけにとどまらず、いずれは世界において絶大な影響力を持つようになるかもしれん」


 バルダインが真剣な口調で話す。


「そうですね。いずれはそうなれたらいいと思います」


 俺が世界レベルの影響力を持つようになれば、世界滅亡の危機に立ち向かう上で役立つこともあるだろう。

 まあ、まだ世界滅亡までまだ28年ある。

 今は少しずつでも加護の対象者を増やしていくのがいい。

 俺はそんなことを考えていた。


「だが、同時にその力を悪用しようとする者が出てくる可能性も高い。その力が本当のものなら、あまりに強大だからな」


「ええ……。仰る通りかと。ですので、この力は付与の条件を満たした方にしか明かしていません」


 加護やステータス操作の力を広く公表することにメリットはある。

 その力に釣られて、有望な者が俺に寄ってくることだ。

 もともと有能な者、向上心の強い者、俺への忠義度が高い者などが集まれば非常に捗る。


 一方で、デメリットももちろんある。

 加護を悪用しようとする者が寄ってくる可能性があるのだ。


 俺たちハイブリッジ家は、ずいぶんと強力な勢力になりつつある。

 通常の加護の対象者が9人。

 加護(小)の対象者が7人いるからな。

 そこらの高ランクパーティや一貴族に手を出されても対抗できる力がある。


 しかし、さすがに一国家や巨大組織に対抗できるほどの力はない。

 俺の加護やステータス操作の力を一般に公開するのは時期尚早だ。


「そうか。それでよいと思う。タカシが信頼できると判断した者にだけ明かすというのであれば、問題なかろう」


「はい。ありがとうございます」


 バルダインの言葉に俺は礼を言う。


「それで、実はマリアは以前より俺の力の対象者となっていたのです」


「なるほどな。祝福の姫巫女として再生能力に長けているのは分かっておったが、火魔法や治療魔法の才能まであることに驚いてはおったのだ」


「俺の力の恩恵ですね。もちろん、マリア自身の頑張りもありましたが」


「うむ。よくやったぞ、マリア」


「えへへ……」


 バルダインがマリアを褒めると、彼女は照れくさそうに笑っていた。


「そして今回、バルダイン陛下も力の対象者となったのです」


「ほう! それは楽しみだな。その加護とやらの恩恵が、我にも及ぶのか」


「ええ。もともとお強い陛下であれば、その効果もより大きくなるでしょう」


「ふむ……。期待しているぞ」


「はい!」


 俺はバルダインに対して力強く返事をする。

 そして、さっそく彼に対して加護(小)を付与した。



レベル?、バルダイン=キャベンドラ=ローディアス

種族:オーガ(鬼人族)

身分:ハガ王国国王

役割:王

職業:斧士

ランク:ーー


HP:??

MP:??

腕力:??

脚力:高め

体力:??

器用:低め

魔力:??

残りスキルポイント:???

スキル:

斧術レベル5(4+1)

闘気術レベル5(4+1)

鬼化術レベル4

言語理解術2

??


加護付与(小)による補正:

全ステータスの2割上昇

所持スキルの内の最大3つのスキルレベルをそれぞれ1ずつ上昇



「付与しました。いかがでしょうか?」


「おお……。これは凄いな。力が溢れてくるようだ」


 バルダインは感嘆の声を上げる。


「これが加護の力ですか……。確かに力がずいぶんと増しているわね。あなた」


 ナスタシアがそう言って、バルダインと俺を見つめる。


「はい。これでバルダイン陛下は、今までよりもさらに強くなりましたよ」


「うむ。感謝するぞ」


 バルダインは満足そうに微笑んだ。


「タカシ君。私にはいただけないのかしら?」


「ええっと。申し訳ありませんが、先ほど説明しました通り、俺との友好度のようなものが一定以上必要でして」


「そうなのよね。残念だけど仕方ないわね。私の愛は夫と娘に向いているもの」


 ナスタシアは肩をすくめる。

 彼女の忠義度は30台だ。

 マリアやバルダインと比べて低い。

 現時点では加護の条件を満たしていない。


 とはいえ、今後の可能性が0というわけではない。

 マリアやバルダインの成長を見れば、自らへの加護を望むようになるはず。

 その気持ちがうまく忠義度に結びつけば、加護(小)までであればいつ条件を満たしてもおかしくない。


 いずれにせよ、ハガ王国の国王であるバルダインに加護(小)を付与できたことは大きい。

 俺はサザリアナ王国の騎士爵なので他国を利するのは少しマズいような気がしないでもないが、まあ大丈夫だろう。

 サザリアナ王国とハガ王国は友好関係を結んでいるからな。

 今後もバルダインたちとはうまく付き合っていきたいものだ。

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