【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1479話 風魔法でくすぐり実験

公開日時: 2024年8月18日(日) 12:06
文字数:1,023

「流華、後ろを向いてくれ」


「う……うん……」


 流華は素直に後ろを振り向く。

 なかなかの大胸筋を持つ彼だが、広背筋はまだまだだ。

 まるで少女のように華奢で美しい。


「兄貴……? えっと、紅葉のときと同じことをするのか……?」


「それもいいが、今回は違った方向性で試してみようと思う」


「違った、方向性……?」


 流華が首を傾げる。

 紅葉と同じでは芸がない。

 新技『エンプフィントリヒ・ユングフラウ』にはとある制約があるため、俺ではその効果の全てを確認できていない。

 紅葉に続いて流華にも協力してもらうことで、より具体的で綿密なデータを収集することができるだろう。


「流華、両手を挙げてくれ」


 俺は指示を出す。

 すると、彼はゆっくりと両手を挙げた。

 彼の美しい脇があらわになる。

 まだ成長中ということもあり、その脇はつるつるのすべすべだ。


「……えっと、これでいいのか?」


「ああ、それでいい。そのまま動くなよ」


 俺は流華から少し離れた後ろに立つ。

 男同士だが、彼は自分の肉体にまだ自信を持てていない様子だ。

 紅葉のように、至近距離から効果を確認するのは酷だろう。

 ならば……


「ひゃあ……っ!?」


 流華が可愛らしい悲鳴を上げる。

 俺が風魔法で彼の脇に微風を送ったからだ。


「な、なにこれ……? くすぐったいよぅ……!」


 流華が身をよじる。

 彼にとっては未知の感覚だろう。

 脇は人体の弱い部分だが、さすがに風ぐらいでくすぐったさを感じるほどではない。

 風魔法で身をよじっている事実は、流華に『エンプフィントリヒ・ユングフラウ』の効果がしっかりと出ている証だった。


「あ……っ、あっ……!」


 風魔法が流華の脇をくすぐる。

 彼は必死に声を押し殺そうとしているが、その努力は実っていないようだ。


「あ、兄貴……。これ、いつまで続くんだ……?」


 もう限界が近いのだろう。

 流華が息も絶え絶えに尋ねてくる。

 だが……


「すまないな、流華。もう少し我慢していてくれ」


「え……っ?」


「まだ、データが不十分なんだ。今後のためにも、しっかりと効果を確認しておきたい」


 俺はそう答えつつ、風魔法を強めた。

 脇以外にも、腹や太ももなど、人体の弱い部分で実験をしていく。


「あっ! あにき……! くふふっ……!!」


 流華が笑い出す。

 もう、くすぐったさに耐えることはできなくなっているようだ。


「あっ、あにき……! もう許して……!」


 彼は懇願するような目を俺に向ける。

 だが……。


「すまないが、もう少し付き合ってくれ」


 俺は首を横に振ると、風魔法の威力をさらに強めたのだった。

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