【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1561話 オールカット

公開日時: 2024年11月8日(金) 12:26
文字数:1,172

 桜花城の天守閣に突入した俺。

 そこで景春を守る樹影と、激しい戦いを繰り広げることになる。

 そう思っていたのだが――


「ば、馬鹿な……!!」


「ふん、口程にもないな」


 俺は、床に崩れ落ちた樹影を見下す。

 彼女は見慣れない妖術で俺に攻撃を仕掛けてきた。

 だが、チート持ちの俺に通じるはずもなかったのだ。


「ザコめ。これが小説や漫画なら、お前との戦いはオールカットになっているところだ」


 俺は樹影を足蹴にしつつ、景春へと向き直る。


「さて……残るはお前だけだな、桜花景春……」


「くっ……!」


 景春が悔しそうに歯噛みする。

 しかし、こいつには利用価値がある。

 適度に脅しつけ、従順な下僕に――


「ん?」


「景春様に……手出しはさせません」


 樹影が俺の足を掴む。

 そして、そのまま噛みついてくる。


「ちっ! 往生際の悪い奴だ」


 俺は樹影の拘束を振り払おうとする。

 だが、彼女は離れなかった。

 彼女の長い髪が生き物のように動き、俺の足を絡めとる。


「無理するな。今の俺は、超高体温……。強い妖力を持つお前でも、レジストしきれんぞ?」


「そ、それでも……。私は……」


 樹影の体が熱くなり、蒸気のようなものが噴き出している。

 だが、彼女はなおも離れなかった。

 彼女の皮膚が焦げるような臭いがする。


「翡翠の湖を守る……クシナダ様……。巫女の末裔たる私に……主を守る力を……お与えください……」


 樹影がうわ言のように呟く。

 クシナダ?

 どこかで聞いたことがあるような……。


 いや、今はそんなことを考えている場合ではない。

 樹影の妖力が増している。

 力の源泉が何かは分からないが、このまま放置すれば俺の力すら超えるかもしれない。


「ちっ!!」


 俺は舌打ちする。

 そして、樹影の首筋に手刀を叩き込んだ。


「かはっ!?」


 樹影が意識を失う。

 俺は彼女を雑に蹴り飛ばした。


「ふん……」


 これで良し。

 なかなか怖い相手だった。

 いや、純粋な戦闘能力はさほどでもなかったが……。


 未知の妖術、景春を守る使命感、自分の体が焦げることを厭わない執念。

 そして、彼女がクシナダとか呼んでいた……謎の存在。

 不気味という意味で、あまり戦いたくない相手だった。


「さて、後はお前だけだな」


 俺は景春の首元に刀を突きつける。


「ひっ!?」


「動くなよ? 動けば斬る」


「わ、分かった……」


 景春が頷く。

 この期に及んでも偉そうだが……まぁいい。

 今はこいつから話を聞くのが先決だ。


「話してもらうぞ。紅葉たちをどこにやった? それに……ここ最近の悪政はお前の仕業だな? いったいどういうつもりだ?」


「……」


 景春が沈黙する。

 俺は刀の峰で、彼の首筋を軽く叩いた。


「クソガキが。お前の首を刎ねてやってもいいんだぞ?」


「……」


「ちっ! 痛い目をみないと分からないみたいだな……」


 俺は刀に力を込める。

 そして、景春の首筋を薄く斬った。

 これで彼も従順になるだろう。

 俺はそう思ったのだが、想定外のことが起きた。

 それは……

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