【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1517話 道場破り

公開日時: 2024年9月25日(水) 12:17
文字数:1,135

「よくぞここまで! 我こそは雷鳴流の序列二十三位、名は――あべしっ!?」


「邪魔だ」


 俺は名乗りを上げようとした男に峰打ちを決める。

 安倍氏と名乗った男は、白目を剥いて気絶した。


「名乗りすら上げないとは、武神流も落ちたもの! 序列十八位の俺が――ぐあっ!」


「名乗りなどいらん」


 俺は序列18位の男に回し蹴りを放つ。

 男は後方に吹き飛び、そのまま気絶した。


 ここは雷鳴流の道場。

 その敷地内にある中庭だ。

 ここを通り抜ければ、雷鳴流の師範がいるであろう稽古場へと辿り着く。


「道場破りの作法すら守れぬとは! 序列十五位の拙者が――ひでぶっ!?」


「下劣な輩を相手に、作法などない」


 序列15位の男に、俺は拳を叩き込む。

 彼は後方に吹き飛び、そのまま気絶した。


「こ、こいつ強いぞ!」


「かくなる上は集団戦でっ!!」


「囲め、囲め!!!」


 男たちが俺を取り囲む。

 俺は刀を構えた。


「「「うおおおおおおっっ!!」」」


 男たちが一斉に飛びかかってくる。

 俺はそれを冷静に捌きつつ、峰打ちで気絶させていった。


「つ、強すぎる!」


「とにかく囲め! 囲んで叩くんだ!!」


「全員でかかれっ!!」


「もうやってるよ! だが、こいつ……。攻撃が当たらねぇ!」


 俺は男たちの攻撃を捌いていく。

 そして、峰打ちで気絶させていった。


「な、なんて強さだ……!」


「このままじゃ、俺たち全員やられちまう!」


「た、助けてくれぇ……!!」


 男たちは絶望の表情を浮かべる。

 しかし、俺は手加減などしない。

 情けは無用だ。

 そんな余裕はない。


「ぐあっ……!」


「ううっ……!!」


 俺は男たちを峰打ちで倒していく。

 だが、そのときだった。


「そこまでだ」


 重苦しい声が響く。

 その声の方向に視線を向けると、そこには1人の男が立っていた。


「よくぞここまで辿り着いたものだな」


 男は感心したように言う。

 彼は、鋭い眼差しで俺を見つめていた。


「私こそ、雷鳴流の序列十一位! 名は――」


「なんだ、ただの下っ端か」


「えっ!? あ、あべしっ!?」


 俺は序列11位の男に峰打ちを決める。

 彼は白目を剥いて気絶した。


「いかにも強そうな雰囲気で出てきたから、雷轟本人か準師範あたりかと思ったのに……」


 俺は呟く。

 拍子抜けにも程がある。

 だが、気を抜いている場合ではない。

 この中庭で倒したのは、ええっと……序列23位、18位、15位、11位だったか?

 名乗られる前に倒した奴も多いし、序列11位より弱い奴らは概ね撃破したと言ってもいいだろう。


 残るは、序列10位以内の門下生たち。

 そして、桜花七侍を務める雷轟や、準師範あたりか。

 俺の『気配察知』のスキルによると、彼らは道場敷地内の稽古場にいるらしい。


「待ってろよ、桔梗……」


 俺の中で、彼女への思いがさらに強くなっていく。

 必ず助けてみせる!

 そんな思いを胸に、俺は駆け出すのだった。

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