「はーっはっはっは! ほらほら、どうしたぁ!?」
「お、おやめください。お館様!」
「よいではないか、よいではないか!」
「あ~~れ~~」
「がはははは!! 苦しゅうない、苦しゅうないぞ!!!」
俺は豪快に笑う。
桜花城を攻め落としたのが数日前。
今の俺は桜花藩の藩主だ。
城務めの女性への盛大なセクハラをしても、咎める者は一人もいない。
……いや、三人だけいたか。
「高志様。あまりはしたない真似はおやめいただきたいです……」
「そうだぜ、兄貴……。俺が憧れた兄貴は変態だけど、人が嫌がることはしなかったはずだ」
「高志くん……。ちょっと、それはどうかと思う……」
紅葉、流華、桔梗の3人が白い目で俺を見ていた。
この3人は、俺が桜花城を攻め落とす前から俺の傍にいた仲間たちだ。
俺とは年齢差があるし、何より今は身分に差がある。
……のだが、俺はどうにも彼女たちの意見を蔑ろにする気にはなれなかった。
「分かった分かった。……ほら、お前はもう行っていいぞ」
「あ、ありがとうございます!」
城務めの女性は、俺を拝みながらその場を離れた。
ちょっと惜しいことをした。
またいつか、セクハラ三昧をしたいものである。
「まったく……高志様は女癖が悪いです。お気をつけください」
「そうは言ってもなぁ……」
「……高志くんが望むなら、私のおっぱいを揉んでもいいよ……?」
「そうか? じゃあ遠慮なく」
桔梗の提案を受け、俺は即座に動く。
彼女の肉体はまだまだ発展途上だ。
本来、楽しめるようなものではないだろう。
しかし、闇の素晴らしさを受け入れた今の俺は違う。
自分の欲望に従い生きるのだ。
「あっ、桔梗ちゃんばかりズルい! 高志様、私のも……」
「よし、任せろ」
俺は続けて紅葉の体も堪能する。
桔梗と同年代くらいだが、紅葉の方が少し発育がいい。
俺と行動を共にするようになって栄養状態が良くなったことも影響しているだろう。
「お、俺だっていいぜ? 兄貴」
「……仕方のないやつだな。ほら、来い」
流華が寄ってきたので、俺は彼も可愛がってやった。
俺に男色の趣味はないのだが……。
一人だけ仲間はずれにするのは可哀想だし、こうするしかないだろう。
流華の両親事情は詳しく知らないが、スリで生計を立てていたぐらいだし天涯孤独に近い境遇のはず。
彼が俺のことを『兄貴』と呼んでいることから、おそらくは家族愛に飢えているのだと思われる。
「えへへ……。あ、兄貴ぃ……もっと……」
……家族愛、だよな?
流華の幸せそうな様子を見ていると、少し不安になってくる。
何かに目覚めてしまいそうだ。
こうして俺は、桜花城を攻め落として得た平和なひと時を堪能したのだった。
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