【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1368話 タカシ=リシャス『サンダーシェフ・スタイル』

公開日時: 2024年4月29日(月) 12:05
文字数:1,142

「――うぐっ!? はぁ、はぁ……」


 俺は飛び起きる。

 今は……幻影との戦闘中だ。

 気をしっかり保つんだ。

 存在しないはずの記憶に惑わされてはいけない。


「どうだ? 素晴らしい人生だと思わないか?」


「…………」


「何とか言ったらどうなんだ! この浮気者のクズが!!」


「ぐおおおおぉっ!?」


 幻影は激昂し、俺を蹴り飛ばす。

 彼の脚力は強い……。

 俺は大きく吹き飛ばされた。

 大ダメージを負いつつ、俺は口を開く。


「俺は……仲間を、世界を……。そして何より愛する女性たちを守らないといけないんだ!!」


「はっ! 愛する女性『たち』だと? くだらん!! 女性1人を真摯に愛せない者に、世界など守れるか!!」


「うるさい! 俺は……俺は負けない!!」


 俺と幻影の戦いは続く。

 彼のスピードは凄まじい。

 戦闘経験は乏しいようで荒削りだが、雷魔法と脚力の合わせ技によりゴリ押しされる。

 だが、それならばそれで有効な対策はある。


「くらえっ! 【パラライズ】!!」


 俺は幻影に雷魔法を放った。

 スピード自慢にはこれが効く。

 攻撃速度が速く、しかも範囲も広めだ。


 かすりさえすれば、多少の麻痺効果を発揮する。

 相手の移動が遅くなれば、再びパラライズを発動して直撃させる。

 そうすれば、相手の移動速度をさらに遅くすることができる。

 必勝パターンだ。


「ふっ……! 甘いな!!」


「何っ!?」


 幻影は、俺のパラライズをあっさりと回避した。

 そして……そのまま俺に向かって突進してくる。


「俺は、タカシ=リシャス『サンダーシェフ・スタイル』! 雷速でたくさんの料理を作ってきたんだ! お前のチンケな雷魔法など、俺には当たらん!!」


「ぐっ……!」


 幻影は俺に猛攻撃を仕掛けてくる。

 とても全ては躱しきれない。

 ならば――


「【ロック・デ・ウォール】!!」


 俺は土魔法で防壁を作る。

 広範囲をカバーする大きくて頑丈な防壁だ。


 幻影のスピードは桁外れに速い。

 だが、雷魔法や蹴りでは強固な防壁を突破することは難しいだろう。

 多少の時間は稼げるはずだ。

 その間に、態勢を立て直して――


「お粗末な土魔法だな。こんなもので、俺たちを止められると思っているとはな」


「な……!?」


 防壁の一部が貫かれた。

 雷魔法や蹴りではない。

 これは……俺と同じ土魔法か?


 俺の土魔法はレベル3だ。

 専門家ではないのだが、『魔力強化』などの補正もあってその強度は鋼鉄にも匹敵する。

 それを、同系統の土魔法で易々と貫くなんて……。


「大地の恵みを意識したことがあるか?」


「なに? どういう意味だ?」


「俺は『大地の恵み』を体現した存在。土魔法を極めし者だ!」


「な……!?」


 幻影は岩の鎧を纏い、俺に向かって突進してくる。

 そして――


「【ブリリアント・パンク】!!」


「げふっ!?」


 俺の腹に強烈なタックルをお見舞いした。

 俺は大きく吹き飛ばされ、大地に転がったのだった。

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