【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1284話 クリエイト・ブロック

公開日時: 2024年2月4日(日) 12:04
文字数:1,414

 その後、アビス・オクトパスの解体が行われ、みんなで美味しくいただいた。

 水中につき、タコ焼きをできないのが残念である。

 まぁ、俺の火魔法を応用すればちょっとした加熱処理ぐらいはできるし、大きな問題はない。


「……さて。防壁の補修作業に戻ろうか」


 タコを食べた後。

 俺たちは防壁の補修作業に戻った。

 作業員たちと協力して、また新たな防壁を造り上げていく。


「……あ、しまった。すまねぇ、人族の兄ちゃん」


「ん?」


 作業中、リーダー格の男に声をかけられる。


「どうしたんだ?」


「いや、補修用の石材が足りそうにないんだ。兄ちゃんのおかげで、かなりのペースで進んだからな……」


「なるほど。そんな問題が……」


 俺たちが行っている作業の内容を再整理しておこう。

 まず、人魚の里を囲うように超巨大な天然の岩石が配置されている。

 その隙間を埋めるように、そこそこの岩を人力で積んでいく。

 隙間を埋め終えたら、魔力を利用していい感じに固定する。

 これをひたすら繰り返していくわけだ。


 しかし、この作業は簡単ではない。

 単純に肉体労働として過酷なことに加え、別の難しさもある。

 石材として使える岩は、その用意にも手間がかかるのだ。


 ここにいる作業員とは別に、石の採掘や運搬を行っている者がいるようだが……。

 俺が張り切ったこともあり、補修作業にて石材を使っていくペースの方が段違いに早くなった。

 そのため、全体としてのペース配分が乱れてしまったらしい。


「ふぅむ。そういうことなら……」


 俺は考える。

 アイテムルームを活用すれば、石材を一気に運ぶことも可能だろう。

 俺の出番だ。


 ……いや、それはちょっと微妙か?

 チートスキル『ステータス操作』で『魔力強化』などを伸ばしている影響で、俺のアイテムルームのスペースはかなり広くなっているが……。

 今は、ヤマト連邦に向けた物資がたくさん入っている。

 これまでの船旅でそれなりに食料などを消費してきたが、まだまだ入っている。

 大量の岩をアイテムルームで運搬するには、まずはそれらの物資を出さないといけない。

 ちょっと手間だし、盗難や紛失のリスクがないこともない。

 ここは――


「【クリエイト・ブロック】」


 俺は土魔法を発動し、石材を生成した。

 アイテムルームを利用するより、こっちの方が無難だ。


「こ、これは……!?」


 驚く作業員たち。

 そんな彼らに向けて、俺は言う。


「どうだ? 防壁として利用できる水準に達しているか?」


「ああ……! 十分すぎるぜ!! これなら補修作業も捗る!!」


「そうか。それはよかった」


 安心した。

 俺の土魔法は、まだレベル3までしか伸ばしていなかった。

 ステータス強化系の『魔力強化』などを伸ばしているので、そこらの中級土魔法使いよりも上だとは思うが……。

 火魔法や水魔法あたりと比べると、あまり自信がない。

 防壁として使えるレベルに達しているか、少し心配だったのだ。


「しかし、兄ちゃんはこんなこともできたんだな。最初からやってくれても良かったんだが……」


「いや、それは無理だった。左足に『魔封じの枷』をされていたからな。アビス・オクトパスとの戦闘でそれが取れてしまったから、こうして生成できるようになったんだ」


「なるほどなぁ……」


「ま、不幸中の幸いってやつだ」


 俺は笑う。

 エリオット王子が帰ってきたら、拘束が外れていることに対して小言を言われるかもしれないが……。

 その時はその時だ。


「さて、作業を続けようか」


 こうして俺は作業員たちと一緒に、防壁の補修作業を続けるのだった。

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