【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1176話 ピピッ!

公開日時: 2023年10月17日(火) 12:12
文字数:1,879

 アイリスが連れてきた幽霊のゆーちゃんに続き、ユナが連れてきた巨大トカゲ(真の姿はドラゴン)のドラちゃんの存在が発覚した。

 積載量が当初の予定よりオーバーしているが、大きな問題はない。


「ふぅ……。しかし、いくら潜水中だからと言ってハッスルしすぎたな……」


「そうですよ。ご自重してください」


「とか言って、サリエも結構ノリノリだったぞ」


「そ、それは……! タカさんが強引に……!」


 サリエが顔を真っ赤にする。

 そんな反応も可愛らしい。

 俺はサリエの髪を撫でる。

 彼女はハルク男爵家の生まれであり、ミリオンズの中で最もしっかりしている。

 普段はキリッとしているが、今みたいに時折隙を見せるところがまた可愛らしいのだ。


「ところで、リーゼ。雷雲は去ったのだろうか?」


 潜水してから、そこそこの時間が経過した。

 俺たちがハッスルしている間に、海上の嵐が収まっているかもしれない。

 もしそうであれば、潜水状態を解除して浮上するのがいいだろう。

 船倉を除けば、潜水中に使えるスペースは1部屋しかないからな。

 みんなでハッスルするには好都合とはいえ、長時間となると手狭だ。


「ええと……。まだ少しの時間がかかるようですわ」


 リーゼロッテが『測量術』スキルの恩恵を活かして確認してくれた。

 雷雲は去っていないらしい。


「仕方ないな。では、続きを……」


「お、お待ちくださいな。タカシさんは良くても、わたくしたちは既に疲労困憊ですわよ!?」


 リーゼロッテが慌ててストップをかける。

 他のみんなもウンウンと頷いていた。


「ふむ……。それもそうか」


 俺には『精力強化』『体力強化』『夜戦術』といったスキルがある。

 そもそも、スキル云々を除いても、俺は生粋の女好きだ。

 ミリオンズのみんなもハッスルは嫌いではないと思うが、さすがに今日は限界らしい。


「では、続きはまた今度だな」


 俺はそう言って、いったんみんなとの営みを切り上げることにした。

 そして、本格的に休憩モードに入る。


「喉が渇いたな。……むっ!? リーゼ、美味そうな飲み物を飲んでいるじゃないか!」


「え? ああ、これですか?」


 リーゼロッテが飲んでいたのは果実水のようだった。

 彼女が持っているグラスの中に桃色の液体が入っている。


「潜水中の今、どこからそれを? 俺も欲しいな」


「……ええっと、それは……」


 リーゼロッテが言いよどむ。

 何か、やましいことでもあるのだろうか?


「ピピッ! ではマスター、こちらをどうぞ」


「おっ、ありがとう」


 俺の死角から、誰かが飲み物の入ったグラスを渡してくれた。

 気が利くなぁ。

 少し薄暗くて分かりにくいが、たぶんメイドのレインか?

 もしくは、ミティかもしれないな。


 渡されたグラスには、リーゼロッテのものと同じ桃色の液体が入っている。

 美味しそうだ。

 俺はストローに口をつけて飲み始めた。


「しかし……。ゆーちゃんとドラちゃんが乗り込んでいることには驚いたよ」


 俺はそう言いながら、2人に視線を向ける。

 ゆーちゃんはアイリスの背中におぶさっており、ドラちゃんはユナの側でくつろいでいる。


「俺たちは仲間にして家族だろ? 秘密にしているなんて、水臭いじゃないか」


「ごめんね。軽いから大丈夫だと思ったんだ」


「ふふん。私の場合は、出航間際でバタバタしていたからね。ま、細かいことはいいじゃない」


 俺の言葉に、アイリスとユナがそれぞれ答える。

 彼女たちは、別に俺に隠し事をしたくてしたわけではないらしい。


「確かに、細かいことはいいか。実は俺も、精霊を連れてきているしな」


 俺が連れてきている精霊とは、炎精サラマンダーのサラのことだ。

 彼女は常に俺の体内で眠っているが、いつでも出てくることはできる。

 幽霊のゆーちゃんと同じく、重量としては誤差の範囲内だろう。


「これで潜水誤差の理由も明確になったことだし、問題ない」


「ピピッ! 潜水誤差の理由は、本当に明確になったのでしょうか?」


「ん? 当然だろ? 当初予定の11人に加えて、ゆーちゃんとドラちゃんが追加搭乗していたのが問題だったんだ」


 薄暗いため発言者が誰か分からないが、俺はそう答える。

 当初からの搭乗予定者は11人。

 俺、ミティ、アイリス、モニカ、ニム。

 ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華だ。


 そこに、ゆーちゃんとドラちゃんが予告なしで追加された。

 その追加搭乗者が潜水誤差の原因で間違いないだろう。


「ピピッ! その両名が要因の一部であることは正しいですが、それだけではありません」


「……どういうことだ?」


 俺の発言に、追加の指摘が入る。

 まさか、他にも追加搭乗者がいるのか?

 それとも、誰かが重い武具なりお菓子なりをこっそりと持ち込んだか……?

 俺は首を傾げるのだった。

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