【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1406話 タカシ=ハイブリッジ『◯◯◯◯・スタイル』

公開日時: 2024年6月6日(木) 12:29
文字数:1,179

「ちぃっ! どこからこんな力が……!」


「確かに致命の一撃を叩き込んだはず……!」


「このままではマズイのでは……」


 幻影たちがうろたえている。

 俺の底力に驚きを隠せないようだ。

 だが、俺はそれどころではない。


『……レム…………』


 再び、厳かな声が響く。

 この声……。

 聞き覚えはない。

 だが、どことなく炎神プロドナスや海神ポセイドンに似た威厳を感じる。


『……ハ……ム……』


「ハム? あなたは……いったい何を……?」


 俺は思わず尋ねる。

 厳かな声は答えることはなかった。

 俺の体に迸る魔力や闘気は勢いを増していく。


「くっ……! 何なのだ!? この男は!?」


「我ら歴代の巫女が負けることなどあり得ん!」


「数十年の貯蔵妖力を使用し、対象者のあらゆる可能性を演算して再現する秘術だぞ!? この技は破れない!!」


 幻影たちが必死の形相で叫ぶ。

 やはりそうか……。

 龍神ベテルギウスと違い、彼らは異世界から召喚されたわけではない。

 あくまで、俺の存在そのものをスキャンして、その可能性を再現しているに過ぎない。


「俺は負けない! 俺の可能性は無限大だ!!」


『ハー……レム……』


 厳かな声の鮮明度が増した。

 ようやく、何を言っているか分かってきたぞ。

 そして、それと同時に俺の体にさらなる魔力と闘気が漲った。


「うおおおぉおっ! 幻影なんぞに負けてたまるか! 俺はこの世界で、愛する妻や仲間たちと生きていくんだっ!!」


『ハーレム……』


 俺が叫ぶと同時に、厳かな声が響く。

 そして、その瞬間――


「なんだ……!? この光は!?」


「バカな! そんなはずはない!!」


「覚醒しただと……!? そんなことが……!!」


「適応者など、この100年間皆無だったというのに……!!」


「陽炎め……! 迂闊にこの術を使うからこうなるのだ……!!」


「しかしそれにしても、まさか適応して覚醒するとは……!」


 幻影たちが慄いた。

 俺は自分の体に異変を感じる。

 いや、異変ではない。

 これは――覚醒だ!


「うおおぉおおおっ!! 俺は……俺はタカシ=ハイブリッジ『ハーレム・スタイル』だぁあ!!」


 俺は高らかに名乗りを上げる。

 そして、俺の体から眩い光が放たれた。


「う、うわああああぁっ!!」


「かつてない力がくる……!!」


「こ、こんな馬鹿なことがっ……!!」


 幻影たちが狼狽えている。

 所詮は幻。

 土壇場になると、その精神力は脆いな……。

 本来の人格であるイノリの個性が表れているのか、それとも歴代の巫女たちの経験によって形成されているのか。

 それは分からないが……。


「はあぁああっ!! 俺は、勝つ!!!」


 俺は全身に漲る凄まじい力を感じつつ、闘気と魔力を全力で練り上げる。

 そして、右手を天に掲げた。


「いっけええぇええっ! 【インペリアル・シャイニング・バスター】ああぁ!!!」


 俺が叫ぶと同時に、古代遺跡の天井から眩い光の柱が降り注ぐ。

 それは、幻影たちを一瞬で飲み込むと、そのまま大爆発を起こしたのだった。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート