サーニャちゃんの献身的な看病を受け、俺はハッスル状態となった。
欲望のままに襲いかかろうとするが、モニカとニムによって制止されてしまった。
「……はい。すみませんでした」
俺がシュンとして謝ると、2人はため息をつく。
そして、真剣な表情になった。
「まったく……。何があったの? 急に大声で叫んだと思ったら、今度は暴れ出すなんて」
「だってさ。ほら、さっちゃんさんの……あれが……」
モニカの問い詰めに対して、俺はそう答える。
先ほど俺とサーニャちゃんは、おデコとおデコをくっつけて体温を測った。
それは、とても男心をくすぐるものだった。
「でも、今さらそれだけで兄さんがあそこまで興奮しますか? 少し違和感がありますけど……」
「そ、それは……」
「にゃ?」
ニムの言葉を受け、俺は言葉に詰まる。
だが、当のサーニャちゃんはキョトンとしていた。
「にゃぁがどうかしましたにゃ?」
彼女が首を傾げる。
本当に可愛い。
――俺にはたくさんの仲睦まじい女性がいる。
妻のミティ、アイリス、モニカ、ニム、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ。
ミリオンズの蓮華とレイン。
配下や御用達冒険者のナオン、ナオミ、キサラ、アビー、トパーズ、雪月花、フレンダ。
その他、イリーナやレティシアなど……。
それぞれ素晴らしい女性たちだ。
しかし、サーニャちゃんも負けず劣らず魅力的である。
何よりも、この膨らみかけの――
「にゃ? お客様、どこを見ているのですにゃ?」
「えっ!? い、いえ……。どこも見てませんよ?」
「そうですかにゃ? にゃぁの胸元あたりを見ていた気がするのですにゃ」
「胸……?」
サーニャちゃんの言葉を受け、モニカが思案顔になる。
そして、何かに気付いたようだ。
「あのね、さっちゃん」
「はいですにゃ」
「もっと身だしなみに気をつけた方がいいよ。ほら、胸元がゆるゆるのシャツを着てるから、中が見えちゃってるの」
「にゃっ!?」
モニカに指摘され、サーニャちゃんは自分の姿を確認する。
そして、顔を真っ赤にした。
「し、しまったですにゃ! お客様の前で失礼しましたにゃ! これは久しぶりに着る服で、ついうっかりしていましたにゃ!!」
「ついでにもう一つ言うけど……。さっちゃん、ブラジャー付けてないでしょ?」
「えっ?」
サーニャちゃんが目を丸くする。
「えっと、その……。ブラジャーというのは一体なんでしょうかにゃ?」
「えっ?」
今度はモニカが驚く番だった。
「さっちゃん、もしかして知らないの?」
「はいですにゃ。にゃぁは生まれてからずっとこんな感じの服を着ていますにゃ。もちろん、成長に応じて大きな服に買い替えてはいますけどにゃ」
「えっと、つまり……。今まで下着とか付けずに、そのまま服を着ていたということ?」
「下着……? にゃ、にゃんでそんな話を!? ここには男のお客様もいますにゃぁ……」
サーニャちゃんが俺の方をチラっと見る。
性的に無知なゆえに羞恥心が薄いのかとも思ったが……。
そうでもないようだ。
このあたりは普通の感性をしている。
そりゃ、男の前で下着の話なんかしたくないよな。
「ごめんね。でも、たっちゃんは悪い人じゃないから大丈夫。少し……ううん、かなりエッチだけど」
「おい」
モニカから飛び出した唐突な風評被害に抗議する。
だが、華麗にスルーされてしまった。
モニカはそのまま言葉を続ける。
「これはさっちゃんにとって大切な話なの。ちょっと真面目に聞いてくれるかな」
「にゃ、にゃぁ……」
「改めて聞くね。さっちゃん、下着は付けていないの?」
「そ、それは……もちろん穿いてますにゃ」
サーニャちゃんが顔を赤らめつつ答える。
うーん、これはいい。
膨らみかけの美少女が恥じらう姿は素晴らしいな。
これが、俺が主導するセクハラだったなら、罪悪感を覚えてしまって素直に楽しめないところだが……。
今回の主導者はモニカだ。
俺はただの傍観者であり、特に罪悪感もない。
素直に堪能することができる。
それも、モニカにはサーニャちゃんを辱める意図などなく、純粋に年長の女性として彼女を心配しているってところもいい。
「穿いてる……っていうのは、パンティのことだよね?」
「パンティ……? いえ、にゃぁが穿いているのはパンツですにゃ……」
「服の下に身に付けているのはそれだけ?」
「? もちろんそうですにゃ」
「……」
「どうしたんですかにゃ? 急に黙り込んで」
「さっちゃん。今すぐ下着を買いに行こう」
「にゃっ!?」
モニカの突然の提案。
それに対して、サーニャちゃんが驚きの声を上げたのだった。
「急にどうしたのですにゃ? にゃぁにはお客様を見守る必要があるのですにゃ」
「うーん、確かにそうかもしれないけど……。でも、このままだと大変なことになるよ」
「大変になることとは、どういうことですかにゃ?」
「それは……」
「俺が説明しよう」
このままでは埒が明かない。
そう思った俺は、サーニャちゃんとモニカの会話に割って入ったのだった。
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