俺は『赤き大牙』に加入した後も、精力的に活動を続けた。

　主に伸ばしたスキルは『弓術』『視力強化』『腕力強化』『器用強化』の４つ。

　それに加えて、『火魔法』『空間魔法』『気配隠匿』あたりも取得している。

　弓士として、後方からの援護に徹する役割だ。

　活動場所は、ほぼ西の森で固定。

　元々は、もっと危険で稼ぎの良い狩場へ行こうという話も出ていたらしいが……。

　俺が加入していろいろと捗ったことにより、その話はなくなった。

　もしゾルフ砦方面にでも行っていれば、オーガの国との戦争関連の依頼でまとまった金を得ることもできただろう。

　だが、それには危険が伴う。

　あの戦争は泥沼化しているそうだし、行かなくて正解だったはずだ。

　そんなこんなで、俺がパーティに加入して１年近くが経過した。

　そして――

「ふむ……。あれがディルム子爵の邸宅か」

「そうよ。生意気にも大きいわね……。あそこに私の仲間が囚われて……」

　俺たちは、ウェンティア王国の東部に来ていた。

　サザリアナ王国の南西部にあるラーグから北に移動し、サザリアナ王国の北西部へ。

　そこから西へ山を登ると、ユナの故郷ウォルフ村へ。

　そして西へ山を下りると、ウェンティア王国の東部にあるディルム子爵領に辿り着く感じだ。

ＷＷＷＷＷ山山山

ＷＷＷＷデ山山山

ＷＷＷＷデ山ユ山ＳＳＳＳＳＳＳ

ＷＷＷＷＷ山山山ＳＳＳＳＳＳＳ

山山山山山山山山ＳＳＳＳＳＳＳ

山山山山山山山山ＳＳＳＳＳＳＳ

？？？？？？山山ＳＳＳＳＳＳＳ

？？？？？？？山ＳラＳＳＳＳＳ

？？？？？？山山ＳＳＳＳゾＳＳ

？？？？？？山山山山山山Ｓ山山

？？？？？？山山山山山山山山山

？？？？？？？山山山山山オ山山

？？？？？？？？？？オオオオ？

？？？？？？？？？？オオオオ？

？？？？？？？？？？？？？？？

Ｗ……ウェンティア王国

デ……ディルム子爵領（ウェンティア王国の一部）

ユ……ユナの故郷ウォルフ村（山の中にある隠れ里）

Ｓ……サザリアナ王国

ラ……ラーグの街（サザリアナ王国の一部）

ゾ……ゾルフ砦（サザリアナ王国の一部）

オ……オーガの国（詳細不明）

山……山脈地帯

？……詳細不明

　ざっくり整理するとこんな感じかな。

　まぁ、『俺が実際に旅して見聞きした情報』『ユナから聞いた情報』『その他の冒険者から雑談で聞いた情報』『書物やローカル地図で得た情報』などが混在しているので、どの程度正確かは微妙なところだが……。

　大きくは間違っていないはずだ。

「それにしても、まさかユナが赤狼族だったとはな……」

「ふふん。タカシは、こういうのが嫌いだったかしら？」

　俺はユナを見る。

　彼女は耳と尻尾を出した姿だった。

　武技『赤狼族獣化』を発動した姿だ。

　俺の『ステータス操作』によって強化された彼女は、赤狼族の中でも屈指の戦力となっている。

「いや、モフモフは大好物さ。むしろ、もっと見せてくれ。思う存分、モフらせてくれ！」

「な……！？　も、もうっ！　この件が片付いたら、いくらでも触らせてあげるわよ！！」

　ユナが顔を赤くする。

　可愛いな、おい。

「分かっているさ。俺たちはディルム子爵を討つ。そして、赤狼族の仲間を救い出すんだ」

「ええ……」

　俺たちはうなずき合う。

　そして、それぞれ弓を構えた。

「行くぞ、ユナ。集中しろ」

「ふふん。任せなさい」

　俺たちは息を殺して、数百メートル先のディルム子爵邸を狙う。

　チートによって強化された俺たちなら、この距離からでも標的を射抜くことが可能だ。

　最優先のターゲットは、ディルム子爵。

　次点で、側近や領軍幹部である。

　余裕があれば、一般兵士や雇われ冒険者なども射抜いておきたい。

　ウォルフ村の仲間を救出するためには、相手の戦力を可能な限り削いでおく必要があるからな。

「「――ふっ！！！」」

　俺とユナの矢が放たれた。

　その狙いは的確だ。

　俺たちが放った矢は、ディルム子爵に吸い込まれるように飛んでいく。

　そして――