【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1332話 上陸するべきか否か【ミティたちside】

公開日時: 2024年3月23日(土) 12:08
更新日時: 2024年4月3日(水) 02:06
文字数:1,157

 時は少しだけ遡る。

 タカシが人魚の里を出発した頃――


「おや……? 皆さん、ようやく島が見えてきましたよ」


「あれがヤマト連邦ってことでいいのかな?」


 サリエとアイリスが話す。

 彼女たちの視線の先には、大きな陸地があった。

 大陸なのか島なのかは不透明だが、方向からするとヤマト連邦の可能性が高い。


「そうでござるな。間違いないでござろう」


 蓮華が答える。

 ヤマト連邦出身の彼女がそう言うなら、間違いないはずだ。


「ど、どうしましょうか? 共鳴水晶によると、タカシさんはまだ時間がかかるようですが……」


「到着を待ってもいいですけれど……。海上での待機も、安全とは言い難いですわね……」


 ニムとリーゼロッテが言葉を交わす。

 ヤマト連邦は鎖国国家だ。

 蓮華や雪月花以外によっては未知の国であり、リーダーのタカシ不在のまま上陸するのはリスクがある。

 しかし一方で、海上で待機するのも安全とは限らない。

 海の魔物が襲撃してくる他、食料や水の問題もある。


「もしよろしければ……私が先行して様子を見てきましょうか?」


 そう提案するレイン。

 彼女は空間魔法の使い手だ。

 上級の『ワープ』を駆使すれば、1人で上陸して様子を見てくることも可能だろう。

 しかし――


「やめておいた方がいいと思うよ~」


「ピピッ! 単独での偵察はリスクが伴うと警告します」


 花が首を振る。

 ティーナも同意した。


「ヤマト連邦は鎖国国家だからね。私たちも詳しいわけではないけど、外からの侵入者には厳しいわよ」


「……うん。出国は『少し面倒』くらいだけど、入国は『とても厳しい』……。特殊な結界魔法の他、海岸沿いに侍や忍者が配置されているから……」


 月と雪も、レインに対して警告した。

 彼女たちもヤマト連邦の出身だ。

 全ての事情に精通しているわけではないが、いくらかの情報は持っている。


「なら……みんなで行くしかないね!」


「なんだか妙な気配も感じるし……その方が安全だと思うよー」


 ドラちゃんとゆーちゃんが言った。

 彼女たちはそれぞれ、ファイアードラゴンと幽霊である。

 2人とも特殊な存在であるためか、勘が鋭い。


「皆さんがそう言われるのであれば……わかりました」


 レインがうなずいた。

 そして彼女は、他のメンバーたちを見渡す。


「どうでしょう? 他の皆さんは……」


「そうですね。タカシ様を置いていくのは気が引けますが……前もって面倒事の芽を摘んでおくのも大事ですし……」


「たぶん大丈夫でしょ。タカシなんだし」


「ふふん。今のうちに内情を探っておきましょう」


「マリア、たくさん観光したいなっ!」


 ミティ、モニカ、ユナ、マリアがそう言う。

 他の者たちも異論はないようだ。


「行きますよ! ヤマト連邦へ!!」


 ミリオンズサブリーダーのミティが宣言する。

 こうして彼女たちは、タカシの到着を待つことなく……ヤマト連邦に上陸するため船を進ませていくのだった。

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