【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1620話 ちゃんと報いてやる

公開日時: 2025年1月7日(火) 12:10
文字数:1,148

「さぁ、言ってくれ。『この変態』と!!」


「ひいいぃい!」


「お、お許しを……っ」


 俺はM字開脚の女中たちに力強く語りかける。

 だが、彼女たちはひたすらに怯えたままだ。


「なぜ言ってくれないのだ? あの時は言ってくれたではないか」


 俺は首を傾げる。

 以前は言ってくれたのに、今はなぜか拒否される。

 彼女たちの態度が理解できない。


「そ、そんな……恐れ多い……」


「あ、ああ……っ」


 女中たちはブルブルと震えている。

 ふんどしをさらけ出しながら震える姿は、なかなかにシュールだ。

 話が進まないし、今日のところは引き下がってもらうか?


 いや、まだだ。

 若い少女から『変態』と罵倒される……。

 それには特殊な快感がある。

 もう一度味わうため、ここで引き下がるわけにはいかない。


「『変態』と発言してくれた者には、特別な褒美を与えよう。どうだ?」


「ひぃっ!?」


「そう言えば、そのときの『お礼』もまだだったな。あの感情は、今もしっかりと覚えているぞ。ちゃんと報いてやるからな」


「「ひいいぃい!!」」


 女中たちがガクガクと震えだす。

 うーん……。

 どうしたこんな反応をするんだ?

 よく分からない。


 チートスキル『加護付与』で各人の忠義度は確認できる。

 その忠義度を確認しつつ適切に接していけば、大抵の者とは友好関係を築けるのだが……。

 あまりにも理解不能な反応を示す者が相手の場合、そういった対応が難しいこともある。

 今の女中たちが、まさにそれだ。

 俺はただ『この変態』と罵ってほしいだけなのに……。


「あの……高志様」


「……ん?」


 俺が思考を巡らせていると、紅葉が恐る恐るといった感じで声をかけてきた。


「彼女たちは、その……高志様を恐れているのでは?」


「俺を?  なぜだ?」


「高志様は、今や藩主となっておられます。そんな相手に、かつて『変態』と罵倒した件を蒸し返されたら……。萎縮してしまうのも無理はありません」


「ふむ……」


 そういうものだろうか?

 ……いや、そういうものか。

 落ち着いて考えれば、当然のことかもしれない。

 俺にとって『変態呼ばわり』はご褒美だが、普通は違う。

 むしろ逆だ。

 どうしてこんな簡単なことに気付かなったのか。


(ここ最近、思考力や理解力が低下している気がするな……)


 いったいいつからだ?

 闇を受け入れ、桜花城攻めを決意したあの日からだろうか?

 単純に考えれば、闇を受け入れたことが原因となるが……。


 そんなはずはない。

 闇は素晴らしいものだ。

 今さら、闇を祓ってこの爽快感を手放すなんてあり得ない。


 それに、闇を受け入れたからこそ思いついた秘策もある。

 以前の甘い俺では、おそらく考えつけなかった作戦だ。

 あの作戦を用いれば、景春を屈服させることができるはず。

 闇には闇の素晴らしさがある。


 ……ま、それはいい。

 とりあえず今は、目の前の女中たちの件だな。

 適切に対処してやろう。

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