【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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639話 ハイブリッジ家配下の紹介 警備兵と治安維持隊

公開日時: 2022年4月23日(土) 11:27
文字数:2,157

 食事会の席で、ハイブリッジ家の優秀な配下を紹介しているところだ。

 執事長セバス、農業改革担当官のニルスとハンナ、メイドのレイン、オリビア、クルミナ、リン、ロロの紹介は終わった。


「さあ、続きましてはハイブリッジ騎士爵家が誇る優秀な文官、トリスタの紹介です!」


 ネリーがそう言うと、小柄で理知的な少年が現れた。

 彼はこちらに向かって一礼すると、話し始めた。


「僕は文官のトリスタと申します。主に、財務や人事関係、そして領内各所の開発立案を担当しております。ハイブリッジ家の発展のため、尽力させていただく所存です」


 丁寧な言葉遣いだな。

 彼は本をたくさん読んでいるし、敬語の知識はもちろんあるのだ。

 普段俺に対して舐めた口を聞いているのは、あくまで俺の気質を読み切ってのことに過ぎない。


「おお……」


「若いがなかなか有能なようだな」


「噂では、山村の出身らしいが……。新興貴族の文官を務められるのか?」


「いや、新興貴族家の文官は経験よりも実力重視だ」


「才能ある者を見出す力において、ハイブリッジ騎士爵の眼は相当なものだな」


 会場内の反応は概ね好意的だった。

 トリスタがほっと胸を撫で下ろして後方に下がる。


「次はハイブリッジ騎士爵家が誇る最強の警備兵たちです! 普段はハイブリッジ邸の警備をしておりますが、街外の魔物退治、ハイブリッジ騎士爵の護衛など、様々な任務をこなしてくれています!」


 ネリーの言葉に合わせて、今度は強そうな男女が現れた。

 彼らはそれぞれ武器を持っており、戦う準備万端の様子だ。


「順に紹介致しましょう! 筆頭警備兵キリヤ、主任警備兵のクリスティ、ネスター、ヴィルナ! そして一般警備兵のヒナとシェリーです!」


「おお……」


「あれがハイブリッジ騎士爵直属の近衛隊か……」


「若い者や女性が多いが、一人ひとりが精鋭のようだ」


「噂によると、ハイブリッジ騎士爵は若い女性を好むとか……」


「なんと……!?」


「まさか、あの娘たちも……!?」


 会場内から驚きの声が上がる。

 俺が女好きという噂が広まっているのか……?

 まぁ、女好きなのは事実だが……。


「ご安心ください。みなさんが想像されているようなことはありません! こちらのキリヤとヴィルナ、そしてヒナと先ほどのトリスタは、既に夫婦となっております! ハイブリッジ騎士爵は、配下の者たちの幸福な生活を願っているのです!」


「「おぉ!!」」


「なるほど、そういうことだったのか」


「これは納得だ」


 会場内の参加者たちが感心した様子になる。

 さすがの俺でも、人妻には手を出さないからな。

 それに、結婚はまだだがネスターというお相手がいるシェリーにも手を出すわけにはいかない。


 ……クリスティ?

 彼女は、うん。

 どうなのだろう?


 前回の一件で加護(小)を付与できるぐらいには忠義度が上がったが、それが恋愛感情なのかは不明だった。

 しかしブーケトスの際に言っていた内容からすれば、俺に対する恋愛感情のようなものもありそうだ。

 俺としては手を出せるものなら手を出したいが……。


「続きまして、治安維持部隊隊長のナオン! さらにその部下たちです!」


 次に出てきたのは、警備隊の制服を着た男女だ。


「私は治安維持部隊の隊長ナオン! ハイブリッジ領における犯罪抑止のために日々活動しています! よろしくお願いします!!」


 ナオンが一礼する。

 その凛々しい姿に、参加者たちから拍手が送られる。


「ナオン? どこかで聞いたことがある名だが……」


「はて? 確かに見覚えのある顔だ」


 貴族たちがそう呟く。

 ナオンは、王都第五騎士団所属の第四小隊長だった。

 平隊員と比べれば印象に残りやすいだろうが、大隊長や中隊長ほどはっきりと顔を覚えられるわけではないのだろう。


「ふむ。我は知っておるぞ。ナオン=ネリアであろう?」


 そんな中、ナオンのフルネームまで把握している者がいた。

 ベアトリクス第三王女だ。

 ナオンは優秀ではあるが、王女様から見れば末端に近い存在のはず。

 よく知っていたな。


「はっ! 仰る通り、私はナオン=ネリアでございます!」


「貴殿の活躍は聞き及んでいた。王都の騎士でありながら、自身の力を活かすためにハイブリッジ騎士爵領へ向かったとな。そして、その能力を遺憾なく発揮して貢献していると」


「勿体なきお言葉! お見知りおきいただき、ありがたき幸せでございます!」


「うむ。ハイブリッジ騎士爵領の発展は、そのままサザリアナ王国の発展にも繋がる。今後とも励めよ」


「ははーっ! 承知致しました!」


 ナオンが深々と礼をする。

 彼女の主は俺ではあるのだが、その俺の主君はサザリアナ王国の王家だ。

 その態度は間違ったものではない。


「「おお……」」


「ベアトリクス第三王女といえば、現時点でも騎士団の大隊長。将来的には騎士団の団長か副団長を任される可能性もあると聞く……」


「ナオン殿はかつての配下にあたる。王都での勤務を見限って新興貴族に仕えたという意味で、少し複雑な感情を持たれてもおかしくはないのだが……」


「さすがは王族だ。配下の意欲を軽んじたりはしない」


「素晴らしい方だ」


 会場内の雰囲気が少し変わる。

 ぐぬぬ……。

 俺たち新郎新婦やその配下のお披露目会なのに、ベアトリクスの株が上がるとは。

 少し悔しいが、仕方ないか。


 続く紹介は、御用達冒険者や御用達魔導技師あたりだ。

 最後に彼らを紹介してもらい、挽回することにしよう。

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