【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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1546話 vs蒼天【流華side】

公開日時: 2024年10月24日(木) 12:56
文字数:1,364

「おらおらぁ!!」


 流華が蒼天に攻撃を仕掛ける。

 麻痺毒を塗った短剣での攻撃は、効かなかった。

 何らかの事情で毒耐性を持っている上、斬撃に対する耐性も備えているらしい。

 だが、打撃ならどうか?


「おらぁ!!」


 流華が蒼天を殴りつける。

 しかし……。


「ふぁあ……。効かねぇな。お前、桜花七侍を舐めちゃいねぇか? 平民のガキなんざに負けるかっての」


 蒼天は眠そうな目で流華を見ている。

 そのダメージはゼロに思える。


「ちっ……! なら、これはどうだ!?」


 流華が蒼天の背後から、彼の首元にしがみつく。

 そして、そのまま絞め落とそうとした。


「毒、刺突、打撃……。どれも効かないなら、絞め技はどうだ!?」


「おっと……止めておけ、ガキ。その技は俺に効く」


「……!!」


「止めてくれ」


 蒼天が口にする。

 だが、流華は無視した。

 全力で蒼天の首を絞め続ける。


「へへっ、正直な奴だな! このまま絞め落としてやるぜ!!」


「ああ、意識が遠くなってきた……。このまま二度寝するのもいいが……。……ふぅ、仕方ねぇな」


 蒼天が嘆息する。

 そして、彼は流華の腹部に肘打ちを喰らわした。


「がっ……!?」


 流華は蒼天から手を放し、その場にうずくまる。

 腹部を手で押さえ、苦しそうに悶えた。


「げほっ! げほっ!!」


「痛いか? ガキが大人に逆らうからこうなる。女どもの前で良いところを見せようと、粋がった結果がこれだ」


「な、なんだと……!? 別に良いところを見せようとしてなんか――」


「俺は面倒事が嫌いなんだ。降参するなら、悪いようにはしない。その激痛も消えるぜ?」


「い、痛ぇわけあるか……! オレはまだまだ戦える!!!」


「そうかい……。なら、もう2・3発くらっとけや」


 蒼天が流華の腹部を蹴り飛ばす。

 彼は桜花七侍の一人だ。

 新任ということもあり、歴代七侍のそれぞれの全盛期には及ばない。


 だが、その実力は本物だ。

 あらゆる攻撃に対する高い耐性を持つ上、その他の分野においても平均的な侍以上の能力を持っている。

 得意分野ではない肉弾戦においても、まだ若い流華に遅れを取ることはない。


「ぐはっ!!」


 流華が吹き飛び、武神流の道場の壁に叩きつけられる。

 そのまま意識を失ったようだ。


「ふぅ……。嫌な仕事だったぜ。ま、女のガキどもを相手にするよりはマシだが……」


 蒼天は流華が気絶したのを確認し、大きくため息をつく。

 そして、他の戦闘に目を向ける。

 そのときだった。


「【爆裂昇脚】!!」


「お、おごぉおおおお!?」


 蒼天が悲鳴を上げる。

 股間部を押さえ、その場に膝をついた。


「お……お前……」


 蒼天が震えながら視線を向けた先にいるのは、流華だ。

 先ほどは気絶したフリをして、蒼天の隙を伺っていたらしい。


「お、男の急所を躊躇いなく蹴り上げやがって……。ひ、人の心とかないのか? お前も男なら、この痛みは分かるはず……」


「知るか!!」


「ぐふぉっ!?」


 流華の追撃を受け、蒼天はそのまま地面に倒れ伏す。

 どういう事情か、流華は男性の股間部への打撃にさほどの躊躇いがないらしい。


「姉御に教えてもらった技が役に立ったぜ。兄貴は渋い顔をしていたから、できれば使いたくなかったけど……。仕方ねぇよな」


 流華は自分に言い聞かせるように呟く。

 気絶したフリをする作戦や股間を蹴り上げる技は、少なからず無月の影響を受けているようだ。

 こうして、流華は桜花七侍の一角を打ち破ったのだった。

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