【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

822話 バキッ!!!

公開日時: 2022年10月25日(火) 12:03
文字数:2,338

「うわあああぁっ! ぐおおおおぉっ!!」


 俺は声を張り上げるが、両手両足を拘束されているので何もできない。


「タカシちゃん。いくら叫んでも無駄だよ。ここは防音対策バッチリだからさぁ」


「さぁ、続きをどうぞ」


「む、無理だ! これ以上は――ぬおっ!?」


 俺の言葉の途中で、イリーナの手が伸びて俺の乳首をつまんだ。


「ふふっ。男なのにここが弱いんだねぇ」


「や、やめろ! 触るなっ!!」


「はいはーい。それじゃあ、次は私ですね。えいっ!」


「ぐあああぁっ!?」


 レティシアまで加わり、左右同時に責められる。

 俺は悲鳴をあげて身を捩るが、二人を振り払うことはできない。


「うへぇ。ちょっと摘んだだけでこんなになるなんて、タカシちゃんってば敏感だね」


「男のくせに情けないですね。ほれほれほれ……」


「ぐおおおぉぉぉっ!!」


 二人の指が俺の乳首を刺激する。

 そのたびに、俺は悲鳴を上げることしかできない。

 体も全力で抵抗しているのだが、両手両足と首が鎖によって拘束されているため、まともに動けないのだ。

 しかも、ご丁寧に『魔封じの枷』まであるからな。

 これでは、いくら膨大な魔力を持つ俺でも脱出は厳しい。


(ミティが好みそうなシチュエーションだな……)


 俺はそんなことをぼんやりと思ってしまう。

 彼女はミリオンズで一番力が強い。

 もちろん俺よりも上だ。

 初体験のときもそうだったが、彼女に力づくで迫られると抵抗は難しい。


(いや、厳密に言えば、ミティの剛腕に対しては魔法で抵抗はできるんだよな。それに比べれば、今の方がより厳しい状況か。魔力が抑え込まれてしまっているのだから)


 魔力は、基本的には魔法の行使に影響するものだ。

 しかし、俺ぐらいの上級者になれば、身体能力の向上に転嫁することもできる。

 魔力が抑え込まれてしまうと、身体能力も下がってしまうことになる。


「くっ! ぬおおおっ!!!」


 力を入れてみるが、やはり鎖が引き千切れたりする様子はない。


「ふふっ。だから無駄だって」


「いくらハイブリッジ男爵でも、『魔封じの枷』があってはどうにもならないでしょう」


 イリーナとレティシアがそう言う。


「うおおおぉっ!!!」


 俺は叫びながら、もう一度全力で抵抗する。

 本当に全力を出しても拘束が引き千切れないのかどうか。

 それを確認しておかないと、安心して先に進めないからな。


「やれやれ。タカシちゃんは諦めが悪いなぁ。だから無駄――」


 バキッ!!!


「――え?」


「はい?」


 俺が全身全霊の力を込めた瞬間、何かが壊れるような音がした。


「えええええええええっ!?」


「こ、これはいったい……」


 イリーナとレティシアが驚きの声をあげる。

 彼女たちが驚くのも無理はなかった。

 俺の右手を拘束していた鎖が、引き千切れてしまっていたからだ。


「そ、そんな……。まさか、こんなことが……」


「し、信じられません……。『魔封じの枷』を装着された状態で、これほどのパワーを出せる人がいるなんて……」


 二人が呆然とした表情で言う。


「ほらな。俺の心配した通りだ。全力を出せば解けてしまうような拘束は、拘束じゃないんだ」


「うわっ! タカシちゃんのドヤ顔ウザッ!」


「くぅ……。やはりハイブリッジ男爵は規格外の存在ですね……」


 イリーナとレティシアが悔しげに言う。


「ほら、何を突っ立っている?」


「へ?」


「俺の右手をもう一度拘束してみろ。今度は千切れないような鎖でな」


「あ、はい……」


 レティシアが俺の指示通りに動き出す。

 拘束プレイには、大きく2種類ある。

 『ガチで身動きが取れない拘束』と『動こうとすれば動けるなんちゃって拘束』だ。


 俺とミティのお楽しみにおいて、俺はミティの剛腕によってまともに抵抗はできない。

 アグレッシブな彼女に良いようにされてしまう。

 だが、隙を突けば何とかならないこともないし、魔法を使えばどうとでもなる。


 そういう意味で、俺とミティのお楽しみは『動こうとすれば動けるなんちゃって拘束』のプレイに類似していると言えなくもない。

 そのような状況においては、ガチの抵抗をしないように留意する必要がある。

 ガチの抵抗をしない範囲で無難に抵抗して、緊迫感を演出するのがコツだ。


 一方で、『ガチで身動きが取れない拘束』をして楽しみのももちろんアリだと思う。

 こちらの場合、全力で抵抗しても本当にどうにもならないので、緊迫感が段違いとなる。

 もちろん、責め手を受け手に信頼感は必要なので、お手軽には楽しめないのが難点なのだが。


「こちらの鎖でよろしいでしょうか?」


 レティシアが新しく用意した鎖は、元々のものより一回り太いものだった。

 これなら、俺が力を入れても千切れることはなさそうだ。


「いいだろう。それで拘束してくれ。――ああ、それと一つ注意事項があるのだが……」


「は、はい」


「責めに少し遠慮が見えていたぞ。俺は被疑者で、レティシアは尋問官だ。だから、もう少し強めでもいいと思う」


「えっと……、具体的にはどうすれば?」


「もっと強くつねったり、引っ張ってくれて構わない。あるいは、鞭で叩いてくれてもいいぞ」


「いや、それはさすがに……」


「遠慮することはない。俺が許可しているのだからな。あと、視線ももっと冷たくしてくれ」


「……分かりました。では――」


 鎖による再拘束が終わり、プレイの再開準備が整った。

 レティシアが顔を引き締める。


「……あのさぁ。タカシちゃん」


「なんだ?」


「このアタシの尋問をプレイ扱いしてない?」


 ギクッ!

 俺は一瞬、動揺してしまう。


「そ、そんなことは無いぞ」


「そうかな? なんか変なこと考えてなかった?」


「気のせいだ」


「ふーん」


 イリーナがジト目で見てくる。


「まあいいか。じゃあ、尋問を再開するよ!」


「はいっ! イリーナ大隊長!」


「ぐおおおおぉっ! ヤメテクレー!!!」


 こうして、地獄のような尋問の時間は過ぎていったのだった。

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