【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
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209話 ミリオンズvsエドワード司祭 後編

公開日時: 2021年2月12日(金) 21:28
文字数:2,448

 模擬試合の続きだ。

俺たちミリオンズ対エドワード司祭。

残念ながら、ミティはやられてしまった。

残った俺、アイリス、モニカ、ニムで戦略を立て直す必要がある。


「まだまだ。俺たち4人でならやれるぞ!」


 俺はそう言って、みんなを鼓舞する。


「ふふふ。たかが1対4で私に勝てるつもりとは。なめられたものですね。あっさりと倒してあげましょう」


「むっ。き、聞き捨てなりません。調子に乗らないでください!」


 エドワード司祭の言葉に、ニムがそうかみつく。

まあ、1対4でもなお勝てないと思われていたら、心外だよな。


「その通り! 倒されるのはそっちだよ! 行くよ、みんな!」


 アイリスの言葉を合図に、4人でエドワード司祭に駆け寄る。

4人で翻弄しつつ、攻撃のスキを探す。


「やる気満々ですばらしいですね。しかし、気持ちだけで勝てるものではありません」


 エドワード司祭がそう言って、こちらをにらむ。

俺たちの動きを見極めようとしているようだ。

そして。


「……重撃一棍!」


 エドワード司祭が棒術による渾身の攻撃を繰り出してくる。

ターゲットはニムだ。

幼い彼女から狙うとは。

容赦がない。


 ドガン!

エドワード司祭の攻撃がニムにヒットする。

これは……。


「こ、これがわたしのロックアーマーです。すばらしい一撃でしたが、岩の鎧の前にはどうということはありませんね」


 ニムがそう言う。

これは武闘だけではなく実戦形式の模擬試合なので、魔法の使用もありとなっている。

彼女のロックアーマーは、エドワード司祭の一撃を見事に防いだようだ。


 ただの岩であれば、エドワード司祭ならば砕くことも可能だろう。

しかし、ニムの土魔法は中級で、MPも潤沢に使用している。

また、闘気術の応用により岩の鎧の強度がさらに増している。


 さすがのエドワード司祭も、今のニムの岩の鎧を砕くことは難しいだろう。

まさに鉄壁の防御だ。


「ワン・エイト・マシンガン!」

「迅・砲撃連拳!」


 エドワード司祭の攻撃のスキを突いて、俺とアイリスで攻撃を仕掛ける。


「ぬうう!」


 エドワード司祭が防御に専念する。

俺とアイリスの連撃では、彼に大きなダメージを与えられないことはわかっている。

狙いはもちろん別にある。


「……パラライズ!」


 モニカの手のひらから電流のようなものがほとばしる。

雷魔法レベル2のパラライズだ。

威力はさほどでもないが、敵を麻痺させる効果を持つ。

魔法がエドワード司祭にヒットする。


「ぐむ!? こ、これは……」


 エドワード司祭は体が痺れているようだ。

膝をつく。


「俺たちをなめた報いを受けてもらいますよ!」


「降参するなら早めにね!」


 俺とアイリスはそう言って、麻痺しているエドワード司祭に攻撃を加えていく。

ただし、麻痺はしていても聖闘衣による耐久力は健在のようだ。

なかなか大きなダメージを与えることができない。


「ちっ。埒が明かないな」


「だね。少し大技を使おうか」


 俺の言葉に、アイリスがそう言う。

さらにモニカも加わり、俺たち3人が闘気を高めていく。


「剛拳流奥義。ビッグ……」


 俺はエドワード司祭に攻撃を仕掛けようとする。

アイリスとモニカも大技の構えだ。

しかし。


「……神の御業にて我を癒やし給え。ヒール」


「なにっ!? しまった!」


 エドワード司祭は治療魔法も使えたのだった。

彼の麻痺が解除される。


「はああ! 十六夜連棍!」


「ぐあああっ!」

「「きゃっ!」」


 俺、アイリス、モニカ。

俺たち3人は、エドワード司祭の攻撃により弾き飛ばされてしまった。


 俺たちは大技のために攻撃に闘気を割いていた。

とっさに防御に闘気をまわす余裕がなかったため、受けたダメージは大きい。

しばらく立てそうにない。


「さて。あとはニム君ですね。降参しますか?」


 エドワード司祭がニムのほうを向く。

戦闘の継続が可能なのは、あとは彼女だけだ。


「わ、わたしはまだやれます。わたしにはロックアーマーがあります。攻撃してもムダですよ」


 ニムがそう言う。

その通りだ。

彼女の防御を崩せない限り、エドワード司祭に勝利はない。


 何とか粘ってくれ。

もう少ししたら、俺が治療魔法により自身を治療して、戦線に復帰できるかもしれない。


「ふふふ。ニム君のその鎧は、確かにかなりの強度です。しかしそれならそれで、やりようはあります」


 エドワード司祭がそう言って、闘気を高めていく。


「聖ミリアリア流奥義。”発勁” 」


「うっ!」


 エドワード司祭がニムの岩鎧に触れたかと思うと、ニムがうめき声を上げて倒れた。

岩の鎧越しに衝撃を与える技か?

どういう理屈だろう。


 残念ながら、これで俺たちミリオンズは5人全員が戦闘不能にまで追い込まれてしまった。

勝負ありだ。


「さて。模擬試合はこの辺で終わりにしましょう」


 エドワード司祭がそう言う。

彼が治療魔法の詠唱を始める。


「……神の御業にてかの者たちを癒やし給え。エリアヒール」


 癒やしの光が俺たちを覆う。

それぞれが立ち上がり、ステージの中央付近に集まる。


「エドワード司祭。治療魔法をかけていただき、ありがとうございます」


「はあー……。それにしても、まさか1対5で敵わないなんてね。ボク、また自信をなくしそうだよ」


「いえ。そう落ち込む必要はありませんよ。想像以上の戦闘能力と連携でした。それに、タカシ君には剣や火魔法もあるでしょう。お互いが本当の意味で全力を出せば、結果は変わるでしょうし」


 エドワード司祭がそう言う。


「剣や火魔法なしでもエドワード司祭に勝てるよう、精進します。……ところで、俺とアイリスの結婚の件は……?」


 1対5で負けるような軟弱な男に、アイリスはやれん!

とか言われないだろうか。


「ああ。その件ですか。もちろん祝福しますよ。君たちのパーティならば、安心してアイリス君を任せられます。まあもとより、私に最終決定権はありませんしね。当人同士の意思が何よりですので」


 エドワード司祭がそう言う。

じゃあ今の模擬試合は何だったのかと言いたくなるが。

まあ、これはこれで必要なことだったと思うことにしよう。

実力を測った上で安心して任せるのと、そうではないのとは、やはり気持ちが違ってくるのだろうし。

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