【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1086話 差し入れのナス

公開日時: 2023年7月18日(火) 12:22
文字数:1,741

 俺は『三日月の舞』の部屋に入った。

 中には全裸のテナがいた。

 何やら、一人で慰めていたらしい。


(テナ、精神力強いなぁ……)


 エレナは結構大きな精神的ダメージを負っていて、ルリイもそこそこ落ち込んでいる様子だったぞ。

 そんな中、一人で致す余裕があるとは……。

 このパーティの打たれ強さ最強はテナと言っていいだろう。

 それに――


「テナさんって……」


「なんすか?」


「ボーイッシュな方だと思ってましたが、結構いい体をしているのですね」


「えっ!?」


 テナが顔を真っ赤にする。

 彼女は胸を隠すように腕を組んだ。


「そ、そんなに見つめないで欲しいっす……。恥ずか死ぬっす……」


「あ、すみません」


 言われてみれば、確かに失礼だったかもしれない。

 ……でも、綺麗だと思うんだよなぁ。

 俺はテナに声を掛ける。


「テナさん。実は差し入れがあるのですが……」


「差し入れ? ……あの、それって後でもいいっすか? とりあえず服を……」


「いえ、今渡したいと思います」


「えっ? いや、でも……」


 テナが困惑している。

 そりゃそうだ。

 一人で致しているところに突入したまでは不慮の事故としても、その後もずっと居座るのはどうかと思うだろう。

 だが、これは譲れないところだ。

 俺はテナに告げる。


「これをどうぞ」


「これは……野菜……? ナスっすか?」


 俺はテナにナスを渡した。

 もちろん、彼女へのプレゼントだ。


「はい。その……、お近づきの印に……」


「えっ? オレっちにくれるんすか?」


「ええ。テナさんに受け取ってもらいたくて持ってきました」


「……」


 テナが満面の笑みを――浮かべていない!

 むしろ、困惑している!!


「えっと……。その……、嬉しいっすけど……。この状況で、いきなり生野菜を渡されても……」


「ふっふっふ。この状況だからこそ、役立つんですよ」


「へっ? どういう意味っすか……?」


「それは……」


 俺が説明しようとしたその時、俺の両肩に手が置かれた。

 エレナとルリイだ。


「差し入れは渡したんでしょ? いつまでいるつもりよ! 空気を読みなさい! 空気を!!」


「ふふふー。タケシさんがここまで動じない人だったとはねー……。でも、テナちゃんも恥ずかしがっているし、ここは一度……ね?」


 2人が俺を諭してくる。

 ……仕方ないな。

 これ以上は迷惑になるだけだ。


 ――なんて、あっさり引き下がる俺ではない!

 ここで引いたら、タカシ=ハイブリッジ男爵の名が廃る!

 こうなりゃ、実力行使だ!!


「百聞は一見にしかず! 論より証拠!! というわけで、テナさん!!!」


「な、なんすか? ……っていうか、近いっすよ!?」


 俺はテナへと迫る。

 そして、後方のベッドにテナを押し倒した。


「ちょ!? な、何をする気なんすか!?」!


「なにって……、ナニをするんですよ」


「えっ!? えぇっ!?」


 テナは顔を赤くして混乱している。

 そんな彼女の体の上に、俺は覆いかぶさる。

 そして、一度はテナに渡していたナスを自分の手に取った。


「えっ!? なんすか!? 一体、なにが始まるっすか!?」


「ふふふ……。テナさんは先ほどこう言っていましたよね? 『こんな状況で、いきなり生野菜を渡されても……』と」


「い、言ったっす……」


「ならば、見せてあげましょう」


「見せる……?」


 テナは不思議そうな顔をする。

 一方で、背後からはエレナとルリイが息を飲む音が聞こえてきた。


「このナスの……有効な使い方を!!」


「えっ!? なにそれ!? 怖いっす!! ――ぎゃああぁっ!? ど、どこ触って……。野菜は食べるものっすよ!?」


「下の口から食べればよろしい!!」


「下に口なんて、ないっすぅうう!!!」


 テナは叫びながら暴れる。

 だが、俺の身体能力の前では無意味だ。


「ちょ、ちょっとあんた! いつまでも調子に――って、なんて力なの!?」


「す、すごいー……。タケシさんに……これほどのパワーがあったなんてー……」


 エレナとルリイが俺の力に驚いている。

 あんまり全力を出しすぎると、Dランク冒険者タケシのキャラが崩れてしまう。

 ……が、今はそれどころではない。

 テナに満足してもらうのが最優先だ。


「ふはははは! この俺を止められるかな!?」


「ぎゃあああぁっ!! お、オレっちの貞操のピンチっすーーッ!!! エレナっち、ルリイっち、助けてっすぅうう!!!」


 テナが叫ぶ。

 こうして、俺は療養中のテナへのお見舞いを果たしたのだった。

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